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2022年もいよいよ年の瀬。今年も色々ありました。スポーツでは、サッカーW杯と北京冬季五輪で日本勢の活躍が見られましたし、コロナの行動制限も3月に蔓延防止等重点措置が解除になると、その後は発令・要請されることなく生活が少しずつ元に戻ってきています。その一方で、政治経済は国内でも国外でも大きなショックが続いた1年でした。ロシアによるウクライナ侵攻に、中国のゼロコロナ政策による半導体等のサプライチェーンの混乱。さらには、世界中で急激な物価上昇が起きていますし、特に大幅な利上を継続している欧米諸国を中心として景気後退の懸念も大きくなっています。

そんな激動の2022年にどのようなテーマの記事がよく読まれたのか、毎年年末恒例の「トライツブログ閲覧数ランキング」を今回ご紹介します。今年これまでに公開した記事は46本、そして現在公開しているすべての記事の本数は407。これらの中から今年多く読まれた記事トップ5を見て、今年のB2B営業のトレンドをおさらいします。今年一年を振り返るきっかけとして、気軽にお読みください。

今年もっとも読まれた記事トップ5

まずは全407本の記事の中から、今年読まれた回数(ページビュー数)のトップ5から見てみましょう。

1位「身近になったAIと『共存』するために必要なこと」(2018年)
2位「せっかくの成功事例を埋もれさせない!社内での展開・再現に欠かせない『モデル化』とは」(2019年)
3位「営業組織に起こりがちな『名が体を表していない』という問題」(2017年)
4位「営業のモチベーション向上のカギは『ゲーム化』にあり!」(2019年)
5位「プロセス・コンサルティングというスキルを上手く活用しよう」(2019年)

こちらのトップ5には、2019年以前の定番記事が並ぶ結果となりました。特に上位4つについては昨年のランキングでもトップ5に入っており、トライツのことを知っていただくきっかけとなっているようです。

そして「プロセス・コンサルティングというスキルを上手く活用しよう」は、昨年の10位から5ランク上げてトップ5入りを果たしました。顧客が主体的に購買活動を進め、営業担当者は顧客の購買進捗をコンサル的に支援する「顧客中心営業」がコロナ禍によって加速したことによって、コンサルティングの技法や考え方に多くの方が興味を持たれるようになったのが理由ではないかと思います。

もっとも読まれた2022年新作記事トップ5

続けて、2022年に新しく公開した記事46本の中での、読まれた回数トップ5をご紹介します。

1位「2022年に取り組むべき『B2B営業・マーケティングの本質的な課題』
2位「来るインフレ時代を乗り越える!値上げを成功させる4つのポイント
3位「統計データから見た、営業施策としての『ウェビナー』のこれから
4位「顧客の思考に『補助線を引く』センスメイキング的ヒアリングのススメ
5位「大量の情報に埋もれている顧客を助ける!営業の『センスメイキング』とは

こちらは先ほどのトップ5とは打って変わって、2022年の傾向がよく表れたランキングになっています。2022年の方向性を示した記事が1位となり、冒頭でも触れた物価上昇に伴う値上対応の仕方についての記事が2位となりました。また、データをもとにウェビナーの意義や価値を再確認する記事が3位になったのは、対面型のセミナーが復活し始めたものの顧客のオンライン/リモートでの情報収集が常態化している2022年の様子をよく反映したランキングではないでしょうか。

2022年を代表する新コンセプト「センスメイキング」は今後も要注目

そして、このランキングの中で特徴的なのが4位と5位にランクインしている『センスメイキング』。「チャレンジャー・セールス・モデル」「隠れたキーマンを探せ!」の著者であるブレント・アダムソン氏がHarvard Business Reviewの2022年1-2月号に寄稿したことをきっかけに、今年の一大トレンドとなったコンセプトです。初めて見たという方のために、簡単に内容をご紹介します。

この背景には、B2Bの購買担当者がWebやSNSを活用することで、簡単・安価に大量の情報にアクセスできるようになったがために、大量の情報に圧倒されてしまい購買活動に支障をきたすようになっている、という実態があります。そのような顧客を支援するためにB2B営業担当者は、大量の情報を取捨選択して理解しやすい洞察へと変換し、顧客が自分で理解・納得して意思決定できるような思考のフレームワークを顧客に与えるという「センスメイキング行動」をしなければならない、というものです。

このセンスメイキングは、顧客中心営業という最近のトレンドの中で営業担当者が顧客を支援する1つの手段として、とても意味のあるものだと思われます。来年以降も、コンセプトの進化や実践例が発表されるでしょうから、継続してウォッチしご紹介するつもりです。

今年に入ってから読まれるようになった記事トップ5

そして最後にご紹介するランキングは、昨年までに発表されていて今年閲覧数が大きく伸びた記事トップ5です。

1位「【2022年の重要課題】コロナ後の環境で成功するための『営業のマインドシフト』とは
2位「非対面かつデジタルなのに注目されない?営業におけるSNS活用を考える
3位「セールスフォースとアクセンチュアのコラボは営業の転換点となるか?
4位「営業DXに欠かせない『データ分析』はどうすれば身につくのか
5位「進化するリファラル(紹介)プログラムに見る『紹介される営業』の本質とは

3位の「セールスフォースとアクセンチュアのアライアンス」記事を除くと、SNS(2位)やデータ分析(4位)などのDX関連の記事と、営業のマインドシフト(考え方の変化、1位)や紹介される営業(5位)といった営業の本質に迫る記事の2つにきれいに分かれています。この、「DX関連」と「営業の本質」の両方への注目度が高まっているというのが、この2022年を象徴しているように感じられます。

今でもリスキリングなどでデータ分析などの学習がブームになっていたり、コロナ以降もリモート/テレワークの継続を表明する企業がいくつもあったりと、DXの進展という大きな流れはこれからも継続していくことが予想されます。そのため、データ分析やSNSといったデジタル関連の記事を参考にしたいという方が増えたのでしょう。

その一方で、多くの企業では出社や対面での営業が戻ってきています。コロナ後を見据えて、改めて営業の本質を考える記事も読まれるようになっているというところに、「DX/デジタル化の継続」と「コロナ後の兆し」という2022年を象徴する2つの大きな流れがあるように思えるのです。

トライツブログは2023年も最新トレンドと営業の本質の両方を調査・情報発信していきます

ここまで、トライツブログの閲覧数ランキングから2022年の傾向や注目されたコンセプトをおさらいしてきました。そしてその中には、コンサルティング営業の広まりとその一手法としてのセンスメイキング、DX/デジタル化の継続とコロナ後を見据えた営業の本質の探究など、2023年以降も継続して重要であるであろうテーマが含まれていました。

トライツブログでは、時代のトレンドと新しいコンセプトやツールそしてB2B営業の本質の両方について、引き続き情報発信していきますので2023年もお読みいただければ嬉しく思います。そして、これまでご紹介してきた15本の記事のうち「まだ読んだことがない」「気になる」というものがありましたら、ぜひご一読ください。