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営業パーソンにとって情報収集は、以前から重要な仕事だと言われています。顧客の業界や企業でのトレンドや大きな変化を知る。人事異動や組織改編の最新ニュースを知る。はたまた、初対面の際のラポールの一環としてSNSなどで商談対象者個人の情報を調べることも多いでしょう。 

さらに最近ではコンサルティング営業という言葉が広がっていることからもわかるように、営業担当者には自社製品・サービスについての知識はもちろんのこと、顧客の業務課題解決のプロフェッショナルとしてのより専門的な知見が求められるようにもなっています。 

このように情報収集が重要性を増している現在ですが、実際に「自分なりの情報収集の習慣を作れているか?」と問われると、「気が付いたときにやっているけど、習慣化できているとは言えない」「一応やっているつもりだけど、まだ不十分な気がする」という方が多いのではないでしょうか。 

そこで今回は「情報収集の習慣作り」について、まとめてみました。自身の情報収集のあり方についてブラッシュアップしたい方、他の人がどんな情報収集の仕方をしているのか興味がある方は、ぜひお読みください。 

情報収集の習慣を身に付ける4つのパターン 

最初にお断りしなければならないのが、今回のブログは情報収集の情報源についてまとめたものではない、ということ。それについては、以前のトライツブログ「情報収集のプロが明かす、商談前に必ず押さえるべき6つのポイント」にまとめていますので、こちらを参考にしてください。 

情報収集の習慣化について、トライツコンサルティングの社内で議論したところ、大きく以下の4パターンに分けることができそうだという話になりました。 

  1. 特定の行動と紐づける
  2. 特定の時間と紐づける(スケジュール化する)
  3. 自分を誘導する環境を整える
  4. 必要な情報が自動で集まる「仕掛け」を活用する 

上記の4パターンそれぞれについて、詳しく見ていきましょう。 

習慣化パターン1. 特定の行動と紐づける 

これは日常の行動に関連して情報収集の習慣をつけるというもの。昭和や平成初期の映画やドラマを見ていると、朝ごはんを食べながら新聞紙を広げているお父さんや、通勤電車の中で新聞紙を器用に縦に細長く折り畳んで読んでいるサラリーマンが登場することがよくありますが、まさにこのようなことです。 

例えば私はこのブログのための情報収集として、日本語に翻訳されていないけれど海外ではベストセラーになっている営業/マーケティング関連の書籍の情報を仕入れているのですが、その最初のステップとして自宅から駅まで歩く20分間は必ずオーディオブックを聞くようにしています。オーディオブックで先に耳から情報を入れておくことで、後から本を読むときのスピードが上がるので結果的に時短になっているように感じます。 

また、代表の角川も通勤の時間はポッドキャストで耳から情報を仕入れるようにしているとのこと。通勤の時間や一人で昼食をとるときなど、耳や目が暇なときを見つけて情報収集する癖をつけるのが一番手っ取り早いのではないでしょうか。 

習慣化パターン2. 特定の時間と紐づける(スケジュール化する) 

そして2つめのパターンが、特定の時間に情報収集のスケジュールを組み込むというもの。朝起きたら最初にTVをつけて情報番組を見るというのもそうですし、家に帰って晩ごはんを食べた後にニュース番組を見るというのもこのパターンです。 

特に最近では、特定の時間に同じ行動を続けているとスマートホンがそれを覚えてくれて、通知で知らせてくれるようになっているので、この「スケジュール化」がやりやすくなっています。例えば私は朝起きたらすぐにスマートホンで新聞を読むのですが、毎朝同じ時間にアプリの通知が表示されるので新聞を読み忘れること自体が不可能な状態です。 

他にもアラームをセットするなどの機能をうまく活用すれば、日々の生活の中で情報収集の習慣を取り入れるのが簡単になっていますので、ぜひ上手に活用してみてください。 

習慣化パターン3. 自分を誘導する環境を整える 

これまでの2パターンは皆さんも普通に取り入れている内容だと思いますが、3つ目のパターンを取り入れている人はすくないのではないでしょうか。「自分を誘導する環境を整える」とは、ちょっと手が空いたときや気分転換したいときに自然に情報収集してしまうような環境をあらかじめ用意しておくということ。例えば、読みかけの本を枕元に置いておくというのがこれにあたります。 

この例として私は、PCのWebブラウザ(ChromeやEdgeなど)のタブを活用しています。NHKや日経新聞などのニュースサイトやLinkedInなどのSNSページ、クライアント企業のニュースリリースページなどのタブを常に開いておいて、気分転換したいときや昼食休憩のときにそれらのページを一通り眺めるようにしています。 

このように、未来の自分が自然と情報収集しやすくなるように工夫をしておくというのも、習慣化に役立つ方法の1つだと思います。 

習慣化パターン4. 必要な情報が自動で集まる「仕掛け」を活用する 

そして最後のパターンが、目覚まし時計をセットするかのように、必要な情報が自動的に集まる「仕掛け」を用意しておくというもの。例えば、日経新聞の電子版ではクライアント企業名や自分が気になる分野のワードなど登録しておくことで、それが含まれる記事があれば通知してくれる機能があります。またYouTubeやLinkedInなどのSNSでビジネスの参考になりそうなチャンネルがあれば、それを登録しておくというのも手っ取り早く自動で情報が集まる「仕掛け」の1つです。 

上手な情報収集の習慣を身に付けて、営業としてパワーアップしていきましょう 

今回は普段とは趣向を変えて、情報収集の習慣化という身近なテーマについて取り上げてみましたが、いかがでしたでしょうか。皆さんが普段何気なく行っている情報収集について、改めて考えるきっかけになったり、習慣化の手法として参考にしていただけたら嬉しく思います。 

冒頭でも述べたように、専門的な知見が問われる現代の営業において、習慣的な情報収集はビジネススキルづくりの基礎となるものです。そしてまた、最も手軽でハードルの低いリスキリングや自己投資の方法だともいえるでしょう。とはいえ、ついつい通勤の時間に漫然とSNSを流し読みしてしまったり、スマートホンでマンガやTVドラマを見るだけにしてしまったりと、時間を無駄遣いしてしまって十分に情報収集できていないシーンも日常生活の中で多いのではないでしょうか。 

ぜひ今回ご紹介した4つのパターンを日常生活に取り入れて、自然に無理なく情報収集を継続できるように自分をうまく誘導してみていただければと思います。そして、ぜひ皆さんの情報収集の習慣化のための工夫についても教えていただけましたら嬉しいです。 

哲学者のフランシス・ベーコンの有名な言葉の1つに「知は力なり」というものがあります。上手な情報収集の習慣を身に付けて、さらにパワーアップしていきましょう。