マーケティング

海外調査レポートに学ぶ
「B2Bマーケティングに必要なWebコンテンツ」(後編)

海外調査レポートに学ぶ「B2Bマーケティングに必要なWebコンテンツ」(後編)

今回のトライツニュースは前回に引き続き、海外の調査レポートをもとに「B2Bマーケティングに必要なWebコンテンツ」についてチェックしていきます。B2Bの購買担当者はコンテンツの閲覧にどれだけの時間を掛けているのか、コンテンツをどう改善してほしいと思っているのか、早速一緒に見ていきましょう。

「2019 Content Preferences Survey Report」で学ぶWebコンテンツの使われ方

前回のトライツニュースでもご紹介したDemand Gen Report社の「2019 Content Preferences Survey Report」。B2Bの購買担当者がどのようにWebコンテンツを利用しているのかを調べたものですので、B2BのWebマーケティングをどうするかを考えるときにかなり役に立つ内容になっています。

前回のニュースではこのレポートの中から特に興味深い調査データを3つご紹介しました。そこで得られたアイデアをまとめると、以下のようになります。
「B2B購買担当者が営業マンにコンタクトをとる前に利用するコンテンツの数は、最多が「3~5つ」の41%。約8割の購買担当者が3つ以上のコンテンツを見てから営業マンに声を掛ける」
「B2B購買担当者が価値を感じるコンテンツのトップ5は、ケーススタディ、ウェビナー(動画形式のWebセミナー)、第三者/専門家のレポート、ユーザーレビュー、動画」
「購買プロセスによってコンテンツの価値は異なる。購買プロセスの初期だけで価値が高いのはインフォグラフィックス(データを図解中心に視覚化した資料)とまとめ記事。ビジネスブログやホワイトペーパーは初期中心だが中期でも価値が高い。動画やウェビナーは購買プロセスの中期向け」

今回のトライツニュースでは、上のデータとは別に、さらに3つの調査データをご紹介していきます。

調査データ1:コンテンツの形式別閲覧時間

インフォグラフィックスにホワイトペーパー、ウェビナーなど、一口にWebコンテンツと言っても様々な形式のものがあります。では、B2Bの購買担当者はそれぞれのコンテンツにどれだけの時間を掛けて閲覧しているのか、というのが今週1つ目の調査データです。

この調査データを見ると、コンテンツの形式ごとに最適なボリュームというものが見えてきます。インフォグラフィックスは5分未満がベストで、動画は長くても10分まで。ケーススタディは短すぎる(5分以内)だと物足りないので5~10分がベストのボリューム。ホワイトペーパーは5~20分ともう少し長くても読んでもらえる。ウェビナーは20分以上のボリュームが必要だが、60分を超えるものは見てもらいにくい。これらはWebコンテンツの内容が十分か、盛り込みすぎになっていないかをチェックするための指標として使えるのではないでしょうか。

調査データ2:顧客の社内で共有されやすいコンテンツの形式

ご紹介しているレポートの中に「B2Bの購買において、価値の高い情報収集先は?」という調査データがあり、そこでの第1位は「同僚/チームメンバー」の46%。このことから、Webコンテンツはただダウンロードされるだけでなく、顧客の社内で共有してもらうことも狙わなければいけないということが分かります。では、顧客の購買担当者が同僚/チームメンバーに共有しやすいコンテンツの形式は何か、というのが2つ目の調査データです。

均衡しておりそこまで圧倒的な差はついていないものの、ホワイトペーパーが最も共有されやすいコンテンツとのことです。それにウェビナーとケーススタディが続いており、先ほどの調査データで閲覧時間が5分以上かかる、ある程度情報量のあるコンテンツの方が共有されやすいということが分かります。自社のWebコンテンツがインフォグラフィックスやビジネスブログだけ、という場合は情報量が多めのホワイトペーパーやウェビナーを追加してみてはいかがでしょうか。

調査データ3:B2B購買担当者が考えるコンテンツの質向上のアドバイス

これまでB2B購買担当者がどのようにWebコンテンツを利用しているかを見てきましたが、最後の調査データはB2B購買担当者から見た、コンテンツの質を高めるためのアドバイス。普段、どのようなことを思いながらWebコンテンツを利用しているのか見てみましょう。

5つのアドバイスがありますが、大きく3つのグループに分けることができそうです。
1つ目のグループは、「調査データ(上から1つ目)」や「第一人者による洞察(3つ目)」など、コンテンツの中身/品質を充実してほしいというもの。2つ目のグループは、「営業メッセージ(2つ目)」や「宣伝(5つ目)」といった売り込みだと感じられる情報を控えめにしてほしいというもの。そして残る3つ目は、コンテンツを手に入れやすくしてほしいというものです。

この3つすべてを真に受ける必要はないものの、これらのアドバイスに極端に反するコンテンツでは顧客の購買担当者に読んでもらえなかったり、不満を感じさせたりしてしまうということでしょう。このデータも1つ目の調査データと同じく、コンテンツを作る上でのチェックポイントとして使えると思います。

賢く使い分ける顧客に合わせてWebコンテンツをマッピングしよう

前回から続けて「2019 Content Preferences Survey Report」の6つの調査データをもとに、購買担当者がどのようにWebコンテンツを使っているかを見てきました。Webマーケティングを始めようという方にも、すでに始めているが見直したいと思っている方にも参考にしていただける情報が満載だったと思います。

6つのデータを眺めていて私が感じるのは、顧客の購買担当者は様々なコンテンツを上手に使い分けており、それぞれのコンテンツには顧客にとって大事な意味/役割がある、ということです。購買プロセスの初期段階ではインフォグラフィックスやビジネスブログなど、比較的短時間で読めるコンテンツで広く浅く情報を集め、購買プロセスが進むにしたがってホワイトペーパーなど少し読むのに時間がかかるコンテンツでしっかり情報収集する。そして、購買プロセスが中期にまで進むと短時間で見られる動画と、時間を掛けて吟味するウェビナーを組み合わせて利用しています。

このように顧客が購買プロセスに合わせてコンテンツを上手に使い分けている以上、「ウチはブログをやっているからそれで充分」「ウチの技術は動画じゃないと伝わらないから動画だけ」というように顧客の購買プロセスをカバーできないコンテンツ体制では、顧客から声を掛けてもらえなくなることでしょう。顧客の購買プロセスに沿って、適切な形式/ボリューム/内容のコンテンツを、顧客がアクセスしやすいように準備しておく必要があるのです。

「Webマーケティングを始めたいけど、どうしたらよいかわからない」
「今Webマーケティングをやっているけど、なかなか効果が出ない」
という方は、ぜひ前回と今回のトライツニュースを参考にしてみてください。きっと改善策のヒントが手に入るはずです。

参考:
2019 Content Preferences Survey Report」(Demand Gen Report, March 2019)

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