この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

「属人的な営業からの脱却」「組織営業力の強化」「顧客対応の迅速化」などなど、多くの課題を解決する切り札として導入されるSFA。
導入後は「とりあえずデータ入力せよ!」と大号令を掛け、かつ毎月の営業会議で入力件数の推移などをチェックしているという話を良く伺います。

確かにそのようにして強制的にでも使うようにすることで、「現場の実態が掴めるようになった」「コミュニケーションが良くなった」などという声が聞かれるようになります。しかも、レスポンス良くフィードバックすることで上手くいった事例も出てきたりすると、「SFA導入は成功だ!」と社内で評価されるようになったりもします。多くの企業がここで満足し、推進のアクセルを緩めてしまうのです。

ただ、改めて考えてみると、そのレベルの運用では『電子版営業日報』でしかありません。報告された情報をどう活かすかは結局のところマネージャの能力次第という属人的な世界から何の変わりもないのです。

今週のトライツブログでは、SFA導入を営業改革につなげるために必要なことについて考えてみましょう。

SFAにデータを蓄積した『その先』にあるもの

最近はクラウドサービスの普及によって、短期間でSFAシステムを導入することが可能になりました。各営業担当者が入力した営業活動情報をマネージャや関係者が見て、必要あればコメントするというようなものであれば、思い立った翌日から使い始めることもできるほどです。

しかし、これはとても大切なポイントなのですが、このような電子版営業日報として運用するだけでは、売上拡大したり、営業活動の生産性が大きく向上したりすることはありません。

SFAが持つ本来のポテンシャルを活かし、売上拡大につなげていくためには、データに基づく、より効率的・効果的なマネジメントに活用するための『営業マネジメントシステム』、データから営業に次のアクションをナビゲートする『営業ナビゲーションシステム』に進化させていく必要があるのです。そうすることで、営業現場のメリットが大きくなりますし、売上拡大へも貢献するようになります。

システムの入力率以外に有効なデータ分析の切り口を持っていますか?

そのためには、「自社の営業の構造」がわかった上で、蓄積されたデータを様々な切り口から分析を行い、有効なプロセスを抽出したり、KSF(成功要因)を明らかにして、現場にフィードバックしたり、システムの機能改善につなげていくことが不可欠です。

しかしながら、このような分析のノウハウがなかったり、そもそもそのような意思がないことから、とりあえず「部署別のデータ入力率比較」だけを行っている企業がほとんどというのが実態です。これでは現場はいつまでも「やらされ感覚」があるままで、自分達の強力な武器にはできません。

SFAを「とりあえず」始めるということには何の問題もないのです。問題なのは、「次の一手」を明確に持たないままダラダラと続けてしまうことです。現場に入力を強いた後にどう現場にメリットがある、売上につながるフィードバックをしていくのか、そこが不明確だといつの間にかそのSFAプロジェクトは失速してしまうでしょう。
そして、SFAシステムだけが、その時点での活用レベルのままなんとなく運用され続けるということになってしまうのです。

営業改革の戦略を一緒に考えましょう

一旦、社内で動き初めてしまったSFAプロジェクトは、期待した成果が出ないからとストップさせたり、そもそも論に戻したりすることは決して簡単ではありません。かと言って「とにかくもう少し使うように心がけよう」を続けていても何も変わらないものです。

大切なことは自社の営業改革に先を見据えた戦略を持つことです。これは必ずしも固定化されたものである必要はありませんが、少なくとも「将来はこうなりたい」というビジョンは明確にした上で、そこに至るロードマップははっきりさせておくべきであると考えます。

このように、SFAプロジェクトを立ち上げ、SFAの活用レベルを上げていくためにはさまざまなハードルを乗り越える必要があります。そこで、トライツコンサルティングではBtoBに特化したコンサルティング・ノウハウを活かし「SFA起点の営業改革支援」を行っています。
SFA活用の「次の一手」を明確にしたいとお考えなら、お気軽にご相談ください。