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提案書も見た目が9割?あなたは見た目で損をしていないか

提案書も見た目が9割?あなたは見た目で損をしていないか

人は「見た目」なのかそれとも「中身」なのか、恋愛や人付き合いの中でよく取り上げられる永遠のテーマですが、十年ほど前に「人は見た目が9割」という本がベストセラーになるなど、見た目が印象に与える影響の大きさは決して無視できないというのが現実です。

この見た目が大事というお話は、提案書などの営業資料でも同じ。見栄えがすると提案内容も良さそうに見えてきますが、フォントがバラバラだったり図形の位置が揃っていなかったりと見た目が雑な資料だと「どうせ中身も大したことないのだろう」と思われてしまうというマイナスからのスタートになってしまいます。

そこで、今回のトライツニュースは「営業資料の見栄え」について考えてみましょう。「ウチの資料は垢抜けなくて…」という方も、「ウチはそこそこ出来の良い資料を作れているよ」という方も、ぜひ読んでみてください。

現代のB2B営業に不可欠な資料作成

前回のトライツニュースでも述べましたが、最近のB2B営業では、商品カタログと見積書だけで商談を行うよりも、「〇〇提案書」「◇◇のご提案」などという表紙がしっかり付いた顧客向けの提案書を使って商談をすることが増えています。
その背景には、単に商品を売り込むのではなく、提案型営業や課題解決型営業などと言われる顧客のニーズや課題を踏まえて個別に提案内容を組み立てる営業手法が一般的になってきたということ、そしてPCの普及により営業マン一人ひとりが提案書などの資料を自分で簡単に作れるようになってきた、という2点があります。

ただ、そのように顧客向けの資料が不可欠なものになり、それを自ら作成することが営業マンにとっての重要な仕事になっているにもかかわらず、それについての教育を受けたことがある人が少ないのが現実です。研修や勉強会などもなく、「企画書の作り方」といった本を読んでいる人も少ないので、誰かが作成したものを見よう見まねで手を加えて・・・という我流のやり方になっていることがほとんどです。

そしてそれをチェックする役割の営業マネージャーも我流です。従って基本的な考え方というのがなく、人によってチェックする観点や指導の中身がバラバラ。セオリーとは関係のない「好み」や「こだわり」についての修正が多いなど、手間がかかる割にアウトプットの質が高まりにくい、非効率的な状態になってしまっていることが少なくありません。

見栄えの悪い資料の5パターン

結果として、営業マンの仕事の中に占める資料作成の割合は増える一方。しかし、それだけ時間を掛けているにも関わらず、見た目で損をしているものがたくさんあるのです。その5つの代表的なパターンをご紹介しましょう。

1つ目は、デザインが揃っていない「バラバラ型」。ページによって使っているフォントの種類やサイズが違っていたり、図形の色使いが揃えられていないので、統一感がなく散漫でやっつけ仕事のように思われてしまいます。これはいろんな人の作った提案書をつなぎ合わせることで出来上がることが多いようです。

次は、レイアウトが崩れている「ガタガタ型」です。同じページの中で行頭の位置が揃っていなかったり、図形の縦横の線や間隔がずれていたり、ページごとにタイトルの位置がずれていたりします。相手からは「これを平気で客先に出せるだから仕事も雑だな」と思われてしまうのですが、作成者は気にしていないというのが特徴です。

3つ目は、1ページの中に文字や図解、グラフなどがみっちりと詰め込まれた「ギュウギュウ型」。アレもコレもと欲張り、いろんな情報を詰め込みます。情報がてんこ盛りなので中身を見る気がなくなってしまうという問題があります。また、図形に影やグラデーションなどの装飾をやりすぎるのもここに含まれます。

4つ目は、色使いが派手すぎる「チカチカ型」。色の使い方にもセオリーがあるのですが、とにかくいろんな色、しかも色鮮やかな原色を多用するので、目が痛くなってしまうだけでなく、何が重要なことなのか伝わりにくくなります。

そして最後は、愛想も色気もない「ノッペラ型」です。図解や写真がほとんどなく、見た目にメリハリのない文字ばかりが並び、フォントもあっさりした明朝体だったりするので、インパクトがありません。結果として、相手に関心を持たれにくかったり、流し読みされかねません。

実際には、これらの5つのパターンのどれかだけというよりも、「ガタガタ型とチカチカ型」のように複数のパターンが組み合わさって「見栄えが悪い資料」になっていることが多いように思います。

これらは営業マンの手によって日々生み出され、それが顧客のところに届けられ、本質的ではないところでマイナスの評価を得てしまったり、自社の良さが正しく相手に伝わらないで損をするというような問題につながっているのです。

良いものを知らないと見栄えの悪さに気づかない

しかもこれらの「見栄えの悪い」資料は、見慣れてしまうと使っている側に違和感がなくなるという問題があります。我々のようにいろんな営業現場で沢山の提案書などの営業資料を見てきた人間からすると「これはひどいな」と思うようなものでも、当事者は全く問題意識をもっていないということが少なくありません。

ただ、そのような人でもこれまでの資料に少し時間を掛けて手を入れたものを見せると「全然違う」「これならお客さんにも喜んでもらえる」「こんなのを自分でも作れるようになりたい」などと言われるのです。

そこからわかるのは、「良いものを知らないで資料づくりをしている」という実態です。だから皆さん「こんなものだ」と思っている。これではいつまでも良くならないのです。

提案書は見た目が9割とは言わないが・・・

これに対する解決策は、まず「資料を見る目を肥やす」ことです。
他社が作っているパンフレットやチラシを集めてみる、先進的な企業のWebページを見てホワイトペーパーをダウンロードしてみる、大型書店でデザインのコーナーを覗いてみる、など見栄えの良い資料に触れることです。可能であれば一時的にプロの企画屋さんやデザイナーに依頼して提案書を作ってもらうということはとても有効でしょう。

また、「現実を知る」というためには、直接仕事とは関係がなく、中身はあまりわからない友人や家族などに今の資料を見てもらって客観的に意見を言ってもらうという方法があります。「これを見せられたらどういう印象を持つか」という視点から感想を聞けば、自分たちでは気づかなかったフィードバックが得られると思います。

私が以前に関わったある企業では定期的に提案書を棚卸しし、見た目や中身のチェックを行っていました。そしてその中から優れた提案書をピックアップし、表彰していたのです。
このようなことをすることで、提案書の見た目は確実に改善されていきました。資料に焦点を当てた社内イベントを開催することも資料の質の向上には有効だと思います。

資料は人と違って見た目が9割とまでは言いませんが、見た目が悪くて得をすることは決してありません。むしろ、多くの営業マンは損をしています。一度、皆が作っている資料の見た目について立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
実際に現場で成果が出るまでお手伝いします。現場の力を引き出し、現場に新しいアイデアを加えることで、顧客から選ばれるビジネスへの変革を実現します。
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