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この記事を書いているのは2021年の6月29日ですので、コロナの第3波とともに始まった2021年も半分が過ぎようとしています。年明けの頃はワクチン接種の見通しも立っていなかったのですが、半年が経過し一日100万件という目標を上回るスピードで接種が進むなど、徐々に世の中にも前向きな雰囲気が出てきているように感じます。
この1年半で使い古されたセリフではありますが、新型コロナウイルスにより私たちのビジネスが大きく変化しました。リモートワークに伴うTeamsやSlackなどのデジタルツールの活用。一部の企業では事務所の移転や縮小などもニュースになりましたし、外出や旅行の自粛が求められたことに対応して多くのお店がECサイトを持つようにもなりました。
このように、多くの企業や店舗がこの1年半の間に変化を体験してきたのですが、私たちトライツコンサルティングも例外ではありません。「客先訪問からWeb会議へ」「展示会やセミナーなどのイベントも対面からWebへ」「研修も集合型からオンライン型へ」などとB2B営業に起こった様々な変化に対応して、コンサルティングのあり方やサービスを変化させてきています。
今回のトライツブログでは現在B2B営業に求められる営業改革と、それに対するトライツのコンサルティングスタイルについてご紹介します。ぜひお読みください。
TeamsやSlackは使いこなせるようになったが
1年半前と比べて、B2B営業は多くのデジタルツールを使うようになっています。誰もが当たり前にTeamsでWeb会議を設定・参加し、オンラインセミナーにはZoomなどを経由してアクセスし、Slackなどのチャットツールを使って社内外のメンバーと緊密にコミュニケーションを取っています。このように見てみると、私たちは問題なくデジタル化に対応できているように見えます。
ちなみにこれらのツールは既存の作業の一部を置き換えるものです。「会議室を予約し、時間になったら入室する」という作業を「会議スケジュールを予約し、時間になったらアクセスする」という作業に置き換える。「オフィスでの雑談」を「チャットツールでのテキストメッセージ」に置き換える。このような今までやってきた作業を置き換えるタイプのデジタル化は、決済のキャッシュレス化や音楽・映画のストリーミング再生化など、日々の生活の中でも経験することが多いため、慣れてしまえばスムーズに行えます。
ただ、あくまでも既存業務の置き換えなので、「移動時間がなくなった」「コミュニケーションのムダ・ロスが減った」というようなメリットはありますが、「営業改革」や「営業DX」と言えるほどの生産性向上は望めません。
B2Bでも「デジタル営業」の出来不出来が売上に大きく影響する時代
この環境の中で、営業生産性向上を実現していくためには、「顧客の変化」に着目する必要があります。その中で大きいのは顧客の購買活動の中でオンラインのウエイトが高くなっていて、その要求レベルも上がっているということです。
例えば、商品について詳しい情報が欲しい場合、お問い合わせの欄に記入すれば、後日担当から連絡が来る・・・というのではなく、その場でダウンロードできたり、チャットでやり取りができる方が好まれるというように、早くて、わかりやすくて簡単という仕掛けを求めるように変わってきていて、それに対応する必要があります。
その結果、このような「デジタル営業」の出来不出来が、B2B営業においても成果に大きく影響を及ぼすようになってきているのですが、これは単にMAを導入すれば実現できるというものではありません。顧客の購買活動がどう変化していて、それに合わせてどんなコンテンツや仕掛けを提供すれば良いかということを整理・構築し、それに合わせてWebサイトを見直したり、コンテンツを整備したり、MAの設定を行ったりしていかねばならないのです。
「アナログ営業」の高度化も必須
また、B2Cと異なり、B2Bではオンラインだけで購買まで至らないことがほとんどです。むしろ情報が簡単に入手できるようになったことで、それでどう判断してよいか悩み、営業担当者に「相談相手」になるようなことを求めるようにもなっています。
これに対応するために、営業担当者は単なる情報提供や、パターン化された提案を行うのでなく、「人間にしかできない付加価値」を顧客に提供しなければならないのです。
海外のB2B購買における各種の調査でも、「課題を一緒に考えてくれる」「必要な情報を集めて解釈・評価してくれる」「専門家として自社に合ったアドバイスがもらえる」などの高度な役割を顧客が期待するようになっていると報告されています。
「デジタル時代」だからと「デジタル営業」に投資して自動的に新規案件が増えたものの、それに対する営業担当者の営業活動が従来型のままで、せっかくの案件を取りこぼしてばかり・・・ということでは目も当てられません。「アナログ営業の高度化」は「デジタル営業」と同時に取り組んでいかねばならないのです。具体的には営業担当者に対する教育研修のあり方や内容の見直しも必要でしょう。
デジタル活用というと、どうしても自分達の「デジタルツールの導入」と考えてしまいがちですが、本当に大事なことは顧客の購買活動がデジタル化していて、それに合わせて自分達の営業をどう最適化していくか、その中で「デジタル営業」と「アナログ営業」の良いとこ取りをしていくかをトータルに考えていくことが大切なのです。
「全体的・包括的」な打ち手が難しい既存の営業施策
しかし、既存の営業組織では営業業務全体を捉えて包括的に手を打つということは難しいものです。デジタルツールを導入する際には、現場の反発を抑えるために部分的・段階的に進めるようにし、業務全体を見直そうなどという大掛かりなものにはしないことが多いでしょう。
営業やマーケティングについての研修も、既存の営業のやり方の効率化や進化がメインで、新しいプロセスをその場で再構築するということはなかなかありません。営業改革で取り組むべき課題が「全体的・包括的」なものになっているのに対し、既存の打ち手は「部分的・個別的」なまま。コロナに対応するべくデジタル活用を進めようとしたときに、多くの営業組織がこのような問題に直面しています。
デジタル時代に向け、「デジタル営業」と「アナログ営業」を融合させた最適な営業モデルを作っていかねばならないのに、これではいつまでもツギハギが続くことになってしまいます。
「必要なことは何でもやる」トライツの並走型コンサルティング
そこで、トライツはこの状況に合わせてコンサルティングのあり方を見直しました。業務プロセス設計や、システム構築、研修などのように打ち手を分断するのではなく、全体的・包括的な観点から継続的して、必要なことなら何でも取り組む「並走型コンサルティング」と位置づけなおしたのです。
大きなビジョンは描きながらも、現場に寄り添い、クライアントのメンバーと一緒に歩みながらそれぞれの企業に合ったデジタル営業とアナログ営業の「良いとこ取り」の営業のしくみづくりと人材育成に取り組み、「目に見える変化」を起こしています。
そして、コロナ禍になってから、並走型コンサルティングの中で提供してきたメニューは日々拡大しています。
クライアント社内でのデジタル活用の勉強会。デジタル活用の戦略・進め方の策定。デジタル活用を前提とした営業プロセスとツールづくり、SFAやMAなどのシステムの環境設定と運用サポート、デジタル活用を取り入れた営業人材育成計画づくりと、その研修設計など。以前の記事でご紹介した動画コンテンツの作成はその一例です。ちなみに、動画コンテンツ作成はさらにやれることが充実し、現在はアニメーションを使ったケースづくりや、確認テストアプリの開発も行っています。
あまりにも色々なことをやるので、クライアントの皆さんから「トライツは何屋さんですか?」と聞かれるほどですが、それは私たちにとって最高の誉め言葉です。そして、デジタルツールなどの技術トレンドの発展に合わせ、これからもコンサルティングの範囲を積極的に拡げていきたいと考えています。
営業変革に不安のある方はトライツに話を聞かせてください
ワクチン接種がさらに広がっていけば、気兼ねすることなく旅行に行ったり、仲間と賑やかに飲食できる、そんな日常が戻ってくるはずです。しかし、その戻ってくる日常においては、これまでと変わらず、むしろこれまで以上にデジタル活用が進められることでしょう。私たちはこの1年半でデジタルに馴染み、その利便性を十分に確かめてきたからです。
コロナが終息した世界でも、さらなるデジタル活用というトレンドに取り残されず、購買活動のデジタル化を加速させる顧客から選ばれるようになるためには、今回の記事でご紹介した
「ただデジタルツールを導入するのではなく、業務やしくみを整理・再構築する」
「デジタル活用と併せてアナログ営業も高度化する」
というB2B営業改革のポイントは、より一層重要になるだろうと考えています。さらにデジタルツールを活用し、より生産性の高い営業組織となるための営業変革に興味をお持ちの方は、今回の記事を参考にしていただければと思います。そして、営業変革に取り組む上で不安やお困りごとがありましたら、トライツにぜひお話をお聞かせください。