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社員教育のための人材育成のメソッドとして、「OJT」と「Off-JT」を組み合わせることが一般的。しかし、最近はその融合型とも呼べるプログラムが増えてきています。今回のトライツブログでは、この「融合型」の人材育成メソッドに焦点を当て、これからの人材育成を一緒に考えてみましょう。

従来型の「OJT」と「Off-JT」のままでは物足りない!

OJT(On The Job Training)は「職場内訓練」のという意味で、上司や先輩に付いて現場で仕事を学ぶことを指します。一方、Off-JT(Off The Job Training)は「職場外訓練」という意味で、職場外のセミナーや研修で主に外部の講師から知識等を学ぶことです。
どちらも多くの企業で以前から行われている人材育成・教育研修の王道です。ただし、実際にクライアント企業や他の企業のお話を伺っていますと、従来型のOJTやOff-JTだけでは期待する成果につながらないと感じる企業が増えてきています。

多くの日本企業は失われた20年の間に現場の効率化・スリム化によって現場の上司や管理職の多くがプレイングマネージャー化しており、現場でOJTをする余裕がなくなっています。また、新卒採用の数を減らして中途採用で経験者をより多く採用するようになった企業では、部下育成の経験がほとんどない上司の数も増えており、OJTをしようにも現場の育成力が不十分という問題もあります。

また、企業のコスト意識の高まりによって、Off-JTにも投資対効果の明確化がより求められるようになったことも、従来型の人材育成メソッドが問題視されるようになった原因の一つです。

「OJT」と「Off-JT」の融合型プログラムとは

そんな中で「もっと実践につながる人材育成を!」「効果が見える研修をやりたい」「現場任せにするのではないやり方で!」などという要望に応えるカタチで、OJTとOff-JTの融合型とも言えるプログラムが増えてきています。例えばアクション・ラーニングと呼ばれる学習と職場実践を繰り返すタイプの研修は最も代表的なものですし、現場でのプロジェクトに外部からコーチ役を迎え、プロジェクトの成功と人材育成の両方を実現させようとする取り組みも行われていますが、これも融合型と呼べるものに含まれるでしょう。

これらのプログラムの特徴は「お勉強止まりにしない」ということです。「研修をやったけど現場で使えずに忘れてしまった・・・」というようなことにならないように、どんな場面で誰がいつどのように活用するかを明確に決め、そこに焦点を当てて取り組むように工夫しています。

大切なことはいかに設計段階から現場トップやマネージャを巻き込むか

しかし、実際にOJTとOff-JTの融合型プログラムをやろうとすると、仕掛ける側が受ける側の仕事の内容に関与する面も出てくるため、組織の壁にぶち当たってしまうことも少なくありません。しかも一度壁に当たってしまうと感情的な問題も出てきたりしてとても面倒なことになってしまいがちです。
そうならないためには、事前に現場トップやマネージャーから要望やアイデアをもらいながらプログラムを設計したり、Off-JTの場に同席してもらって社員と一緒に実践プランを作成してもらうなど、プログラムの設計や運営に現場トップやマネージャを巻き込んでしまいましょう。そして「やりっぱなし」にしないために、日々のマネジメントにおいても学習したことが活かされるように会議やミーティングの内容を見直してもらうなど、トータルでの仕事のやり方を考えていくことも大切なことです。

答えは一つじゃない!外部の専門家の知恵も使って成長のアプローチを模索しよう

このように、今人材育成を考える場合、従来型の「OJT」と「Off-JT」どちらにするか?だけでなく、その中間の「融合型」のバリエーションもいろいろ増えており、答えは決して一つではありません。

トライツコンサルティングがクライアントに提供しているコンサルティング・サービスもこの「融合型プログラム」の一つに含まれると考えています。ただ、一般的な研修会社が提供するサービスと大きく異なるのは、それぞれの企業に合わせた「しくみづくり」から個別に関わるということです。そのような経験を通じて我々が強く感じるのは、現場に問題意識はあっても画期的な解決策のアイデアまでは出て来ないということ。従ってどんなに強い組織であっても「刺激」を与えないとマンネリ化してしまいます。

これからの人材育成には、前述のように現場トップやマネージャを巻き込んで現場の要望に応えるということに加え、例えば外部の専門家などの支援を「刺激」として活用しながら自社が成長するための最適なアプローチを模索することが大切だと考えています。

トライツコンサルティングでは営業人材育成について、育成スキルマップやスキルマップの整備といったしくみづくりから、それぞれの企業に合わせた研修まで行っています。具体的な事例や手法が知りたい方は下記よりお気軽にご相談ください。