「せっかく画期的な新しい商品・サービスを出したのになかなか売上につながらない」そんな声を聞くことがあります。
顧客にとって未知のものなのに、既知の商品・サービスを売るのと同じようなアプローチで一方的な「売り込み」をしてしまっていることはないでしょうか。良くわからないものを売り込まれてしまうと顧客は逃げてしまうものです。

今回はそのような顧客に新しい商品・サービスを買ってもらうために何がポイントになるのかを一緒に考えていきましょう。

顧客にとって新しい商品・サービスを提案する5つのコツ

1.顧客の学習・理解を助ける

まず、顧客はその商品・サービスをよく知らないので、学習・理解してもらうことから始める必要があります。その上での最初のハードルは専門用語です。例えばWebマーケティングなどというサービスを売る場合であれば「SEO」「アクセス解析」「ランディングページ」などという言葉を当たり前に使いたくなりますが、顧客にとっては未知の言葉。仮に目の前の担当者はご存知でも、その上司はそうではないかもしれません。

専門家なら分かりやすく説得力を持って伝えられる話であっても、顧客の社内を説得して回るのは専門家ではない担当者です。顧客担当者が自信を持って社内を説得できるように、これまでの商品・サービスとの比較データや各種技術のメリット/デメリット対比など必要な情報については、多少の手間がかかっても丁寧に伝えて学習・理解を促進することが重要です。また、新しい商品・サービスをを既知の何かに置き換えてわかりやすく理解できるような工夫も考えてみましょう。

そしてその新しい商品・サービスを社内でどのように活用するのか、その「使い方」も顧客にとっては重要なポイントになるので、わかりやすく伝えていくことが重要です。

2.課題をインパクトある形で伝える

新しい商品・サービスを導入するには、それなりの理由が必要です。顧客が現在直面している課題を、担当者だけでなく顧客社内で重要視されるようにインパクトある形で見せることが大事です。どれだけのコストや機会損失が発生しているのか、事業全体にとってどれだけの影響があるのかを担当者と確認しながら組み立てていきましょう。

インパクトを出すために活用したいのが「数字」です。できるだけ最新の調査結果を紹介し、もし予算が許すのであれば、提案のための事前調査をさせてもらいましょう。裏付けとなるデータが具体的であるほど、そして顧客オリジナルのものであるほど、社内を納得させやすくなるでしょう。

3.なぜ今なのかを伝える

顧客の理解が進み、課題が明確になっていても、「なぜ今やる必要があるのか」をうまく伝えられないと、チャンスを逃してしまいます。提案を受け取った相手が、今すぐ行動に移したいと思えるような決定的な理由を用意することが大切です。
特に競合との差別化が求められるビジネスでは、顧客の競合企業の実態を分析をした上で「競合の○○が△△をしていないうちに、××をすることで効果が見込める」といった提案も有効です。競合企業はあくまでも一例ですが、顧客の琴線に触れるポイントを探して、「今やらねば」と感じさせましょう。

4.適切なリターンを設定する

提案の中で「提案を実行することでどんなリターンが手に入るか」を担当者がイメージでき、社内を説得させられるようになられなければいけません。企画書には、提案を実行するために必要な期間、予算、人材などをすべて書き、それをやることで得られるリターンを伝えます。ただし、説得力を持たせるために過剰なリターンを設定すると、自社だけでなく顧客の担当者の首を絞めることになってしまいます。顧客が意思決定するのに十分で、かつ現実的なリターンを顧客担当者と合意しましょう。

5.Noと言えないオファーを用意する

企画書の最後に相手がNoと言えないオファー(条件提示)を用意することが、提案を通すコツです。特に新しい商品・サービスについての提案であれば、最善のオファーは「実験」です。
短期間かつ低コストで試用してみることで、思ったとおりの結果が得られるのか、本格採用する上でのポイントが何なのかを知ることができます。これらを知ることで担当者はより説得力を持って社内に提案することができるようになります。まずは最初の一歩を踏み出してもらい提案の内容を体感してもらえるオファーを考えましょう。

顧客任せにせず、徹底的に意思決定支援をしよう

最近は顧客側もインターネットで検索し、営業がフォローする前にいろいろな情報を入手していたりします。かと言ってそれが本当に正しいものであるとは限りません。

そこで、顧客が正しい情報を元に社内で購入の意思決定ができるように徹底的に支援していきましょう。できれば一般的な「意思決定プロセス」を示し、それを見ながら顧客担当者と一緒に顧客内での「意思決定プロセス」を共有しておきます。そしてどこが最大の難関なのか、そこを越えるために何が必要なのかを考え、準備します。

通い慣れた道で目的地に行くことにおいては何のサポートもいらないものですが、顧客にとって新しい商品・サービスを購入するということは、言葉も通じない初めての土地で行ったことのない目的地にたどり着こうとするようなものです。親身になって一緒に考えてくれたり、目的地までのガイドをしてくれる営業担当者はきっと心の支えになるはず。

ただ、いつまでもこんな個別対応をしていては効率が悪いという問題も出てくるでしょう。そこで、顧客への意思決定支援を徹底的に行う中で得られたノウハウをツール化し、顧客に提供していくことでより顧客に安心して購入プロセスを進んでいただけるように工夫していくことも取り組んでいきましょう。