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日本語でも使えるB2B営業向けAIツールが続々誕生しています。前回のトライツブログでは、全自動で叩き台レベルのプレゼンテーション資料が作れる驚異のAIツール「Beautiful.ai」をご紹介しました。

今回はプレゼンテーション資料作りを効率化する別のAIツール活用法として、巷で話題になっている「Notion AI」と「Gamma」の組み合わせ例をご紹介します。叩き台レベルではなく、ある程度クオリティの高いものを作りたいという方には必見の内容になっていますので、ぜひお読みください。

AIを使ってスムーズに文書を作れる「Notion AI」とは

今回最初にご紹介する「Notion AI」は、「Notion」というWebブラウザ上で使用するドキュメント作成・共有用ツールの中で使えるAI機能。中に画像や図表を差し込んだりすることもできますので、ブラウザ上でWordを動かすようなものだととらえてください。

Notion AIの最大の特徴は、資料を作りながら流れるようにAIによる文書作成機能を使えること。ChatGPTのようにAIから返された文章を別のアプリにコピー&ペーストするという手間をかけずに、文章を作り上げることができます。

どのようなものなのか、例を見ながら確認していきましょう。ここでは、営業マネージャー向けに「データ分析力向上研修」を企画・設計するというシチュエーションで、Notion AIを使ってみることにします。まずは、以下のように「営業マネージャー向けにデータ分析力向上研修を提案するプレゼンテーションのストーリーを考えて」とAIに指示を出してみました。

これに対してNotion AIが返してきたストーリーが以下です。

「背景」からスタートし、「問題」→「解決策」→「研修内容」と、オーソドックスではありますが抜け漏れのない展開になっています。ただ、どうも肝心の「研修内容」が通り一遍の表面的なもののように見えるので、テコ入れすることにします。

研修内容が表面的になってしまった理由は、AIに提供する情報が不足していることです。そこでAIに、B2B営業のマネージャーにデータ分析が求められる5つの場面を具体的に考えてもらうことにしました。実際のプロンプトは「 B2B営業のマネージャーに求められるデータ分析の具体的な場面と分析対象のデータ、分析方法、得たいアウトプットの例を、5つ教えて 」というもの。それに対するAIの回答は以下の通りです。

実践的でかなり良い分析の切り口が出てきましたので、Notion AIに「上記の内容を踏まえて、営業マネージャー向けにデータ分析力向上研修を提案するプレゼンテーションのストーリーを改めて考えなおして」と指示をした結果、出てきたのが以下の内容です。

最初に生成された内容と比べて具体性が増して、本当に存在していてもまったくおかしくないレベルの研修アウトラインが出来上がりました。それでは、このアウトラインをプレゼンテーション資料化するために、次のAIツール「Gamma」へと移りましょう。

文章を一気に流し込んでプレゼンテーションを作れる「Gamma」とは

「Gamma」もWebブラウザで動かすプレゼンテーション作成ツール。前回ご紹介したBeautiful.aiのように、「〇〇のプレゼンテーションを作って」のような短い指示文からプレゼンテーション全体を一気に作るようなことはできませんが、文章に合った画像をAIが選んでくれたり、単調になりがちな箇条書きの文章に自動でデザインをつけてくれたりといった、細かい作業をサポートしてくれます。

そして、最大の強みがNotionなどで作った文章を一気に流し込めること。そこで、先ほどの研修アウトラインをGammaにまとめてコピー&ペーストします。

これがGammaの入力画面です。上のボックスにプレゼンテーションのタイトルを入力し、下のボックスに先ほどの文章をまとめて貼り付けたのが、以下の画面です。

このままだと、1枚の縦に長いプレゼンテーションになってしまいますので、見出しごとにページを分割していきます。

Gammaにもテンプレートのデザインテーマがいくつもありますので、好きなデザインを選ぶことができます。ここではデフォルトで設定されているテーマを使っています。

適当なサイズでスライドを分けたら、AIにデザインしてもらいます。

上は、B2B営業のデータ分析の5つの切り口のうちの3つを紹介しているスライドです。薄紫色で囲まれた四角形が3つありますが、このデザインはGammaのAIが作ってくれたもの。驚くことに使われている画像もAIが選んでくれています。

このように、元となる文章があれば、その後の資料作りを一気に効率化できるのがGammaの最大の特徴なのです。

AIに質の高いアウトプットを作ってもらえる指示文の書き方

Notion AIとGammaを組み合わせたプレゼンテーション資料作りの例をご覧いただきましたが、いかがでしたか。「これは便利そう」「AIが作った下書きを加工したら、実際に使えるものになりそう」と感じていただけたのではないでしょうか。

ご覧いただいたように、Notion AIやChatGPTといった生成AIは、こちらが出す指示(プロンプト)の質によってAIから返ってくる文章の質が大きく変わります。求める回答を得るためのプロンプトの書き方の工夫を「プロンプトエンジニアリング」といい、早速国内外でこれについての本も出版されるなど、現在進行形でノウハウが開発されています。

どの本を読んでも共通するプロンプトエンジニアリングのポイントは、先ほどのNotion AIの例でみたように、関連する情報をできる限り多く、かつ具体的に記述すること。例えば、このブログの文章をAIに読ませてタイトル案を考えさせる場合には、「どういう組織や役職の人がターゲット読者なのか」「そのターゲット読者はどういうことに関心や問題意識を持っているのか」「タイトルを読んだ後にどのようなアクションをしてもらいたいのか、どう感じてもらいたいのか」といったことを具体的に記述した上でAIにタイトルを考えてもらう。そうすると、実際に使えるタイトル案をアウトプットしてくれるのです。

このとき、ターゲット読者やその人の関心や問題意識がわからなくても大丈夫。先ほどの事例で「B2B営業の営業マネージャーに求められる具体的な分析の切り口」をNotionに考えてもらったように、ブログの文章からターゲット読者をAIに考えてもらったり、関心や問題意識をAIに具体化してもらってから、それを反映してタイトル案を考えるように改めて指示すれば、私たちが情報をもっていない場合でも、それなりに質の高いタイトル案を作ることができます。ちなみに、完成形をいきなり求めるのではなく、このように段階的に考えるように指示することを「思考連鎖型プロンプト」と言い、プロンプトエンジニアリングの基本的な技法なのだそうです。

また、AIが参考にできる情報が多い言語を使ってプロンプトを書くのも、質を高めるのに有効です。例えば、「B2B営業におけるデータ分析の切り口」や「B2B営業で使われている主なAIツール」といったテーマであれば、日本語よりも英語で探す方がはるかに多くの情報にヒットします。そのため、プロンプトをいったん日本語で書いてからAIに英語に翻訳してもらい、英語で返ってきた文章を再度AIで日本語に翻訳すれば、日本語だけでAIとやり取りするよりも質の高いアウトプットを手にすることができるのです。

AIを使って生産性を高めるには、AIについて学び、考えながら操作することが必要

AIは便利なツールですが、適当な文章に対して勝手に質の高いアウトプットを返してくれる万能機械ではありません。AIを使いこなし、最大限のパフォーマンスを発揮させるためには、私たちがAIについて、そして上手なプロンプトの出し方について学ばなければならないのです。

皆さんもぜひ、今回ご紹介した最新AIツールを使ってみて、その実力を体験してください。そして日々の業務にどのように活用するのか、AIを活用できる営業人材をどうやって育成したらいいのかを考えていきましょう。

トライツコンサルティングでは2023年5月24日に東京国際フォーラムにて、「営業幹部/マネージャなら知っておきたい!ChatGPT時代に活躍できる営業人材を育てるには」というセミナーを開催します。ChatGPTやNotion AIなどの生成AIに興味をお持ちの方、AI時代の営業人材育成についてお考えの方は、ぜひお越しください。