トライツコンサルティング株式会社

【事例】SFAエンジンが再起動!本格的な営業改革へ!

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事例の概要

大手サービス業B社は、さまざまな業界の企業に対して、商品・サービスを提供しています。営業活動とマネジメントを強化するために、1年半前から段階的にSFAを導入しましたが、その活用がなかなか進まないでいました。

そこで、トライツがSFAへの入力データを全件抽出し、SFAへの入力状況と営業活動の実態を統計解析。また、営業現場へのインタビューなども行い、SFAを活用した営業/マネジメントの改善策を設計しました。

現在、B社では解析結果をもとにSFAの設計を大幅に変更して一部のパイロット事業所でテスト実践し、その結果をもとに新型SFAを軸にした本格的な営業改革をスタートできることになったのです。

最初のひと山を越えて・・・

B社は業界トップ企業であり日々新しい商品が開発されているものの、業界全体が長期的なダウントレンドにある中で、営業活動/マネジメントの在り方を大きく見直す必要がありました。そこで導入されたのがSFAだったのです。

しかし、トップの号令で導入したものの、営業活動を都度報告する文化がなかったB社では、500人以上もいる営業担当者に入力させるのに当初はとても苦労していました。導入から1年半後に、ようやく多くのメンバーが安定して入力するようになったので、その利用状況を分析しながら次の一手を考えることになりました。

寺島

当初、取り組みにあたっては、社内で分析するか、システムベンダーに依頼するという方向で検討しておられたようです。
そんな中、いろいろな企業の営業実態を知っていて、単なる集計だけでなく多変量解析などの高度な手法を柔軟に組み合わせて営業活動を分析するノウハウを持っているところを評価し、トライツを選んでいただけました。

5万件のデータ分析

このSFAデータ分析で会社として知りたかったことは、「SFAがどれだけ使われているか」「SFAから見てB社の営業はどうなっているか」の2つでした。このうち1つ目の「利用状況分析」は、プロジェクトをスタートして早々に「ばらつきは多少あるものの、ほとんどのメンバーがもれなく利用している」ということが分かりました。そこで、プロジェクトのほぼすべての期間を使って2つ目の目的である「営業活動分析」を行うことなりました。

寺島

「営業活動分析」で私がやろうとしたのは、単に商品分類ごとに商談件数や受注割合を比較する、というような表面的な分析ではありませんでした。やりたかったのは、B社の営業活動の中の隠れた構造を明らかにする、ということ。
そこで、選択式のプロセス行為だけでなく、フリー記述のテキスト情報との関連を分析し、商談化と商談成約の成功要因などを 5万件のデータから探っていきました。

データだけでは見えてこないことをヒアリングで探る

データから今後の営業活動のひとつの方向性として見えてきたのは、顧客からの引き合い対応ではなく、「ゼロから自分たちで作り上げた商談」の存在でした。

そこで、その商談のことを成功事例としてピックアップし、営業担当者やリーダーに直接インタビューし、データだけからでは見えてこない成功要因を探りました。

寺島

ヒアリングの冒頭「なんでこの商談を成功事例としてピックアップしたのですか?」と驚かれました。
理由を説明したところ「自分では将来に向けて重要だと思っている商談だが、日ごろのマネジメントでは光が当たることがない。それがデータ分析からピックアップされたことが凄い」との声。この経験はどういう視点でマネジメントすれば良いかという大きなヒントになりました。

営業改革 本格スタートへ

プロジェクトの最後に提出した分析レポートは「SFAの利用状況」と「B社の営業活動の中に隠れている構造」、そしてその構造をもとにした「SFAのシステム設計の改善案」が盛り込まれたものでした。
この分析レポートをもとにSFAのシステムを一部修正。 トライツが追加でプログラミングし、作成したマネジメント帳票と組み合わせて、パイロット事業所でテスト実践。ミーティングの運営指導なども行い、成功モデルが見えてきました。

改めてSFAをカスタマイズし、成功モデルが実践しやすいベストなシステムにした後、社内に展開チームを編成し、全社的な営業改革への取り組みをスタートさせています。

寺島

B社はもともと、営業部門の独立性が強く、会社としての営業改革への取組がなかなか上手くいかなかったようです。今回のプロジェクトではデータの客観性と現場の声から組み立て、さらに現場でテスト実践を行ったことで、営業現場から「自分たちの取組」として受け入れられました。その結果、今まで動かなかったB社営業部門という巨大組織が、やっと動き始めたように感じています。

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