トライツコンサルティング株式会社

リモート時代の営業に不可欠!動画コンテンツ制作に取り組む際のポイント

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2020年の上半期も終わり、下半期に入りました。世界中が新型コロナウィルスに振り回された上半期でしたが、そのような中でもトライツとして新たにチャレンジしたのが、営業向け研修の動画教材制作でした。緊急事態宣言が出てリモートワークが浸透しはじめてからは、ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン会議が新聞やテレビで取り上げられることが多かったのですが、会議だけでなく研修もオンライン化が進んでおり、これまでは集合研修で実施していたことを動画にまとめて受講者に視聴してもらう、ということが増えてきています。

そこで今回は、営業向けの研修動画コンテンツ制作に取り組む際のポイントについて、トライツが試行錯誤してきた内容をもとにご紹介します。

研修教材を動画にすることの「メリット」

研修動画コンテンツとは、その名のとおり研修の内容を動画で説明しているもの。動画とは別に作成・提供しているテキストを読みながら、動画を視聴して研修内容の理解を深めてもらうことが狙いです。集中して視聴してもらうために15~30分程度の時間にまとめることが多いので、テレビの放送大学をギュッと圧縮したものをイメージしてもらうと、分かりやすいかと思います。

研修を動画教材にすることには、さまざまなメリットがあります。
視聴する場所や時間を選びませんので当然自宅でも視聴できますし、通信環境さえ整っていれば電車での移動中や喫茶店でも見られます。また、一回見て分からなければ何度でも視聴できますし、どうしても時間がなく急いでいるときは1.5倍などの早送りで視聴することもできます。また、提供する側にとっても、対面研修を複数回実施する場合でも品質のブレを心配することなく、大勢の受講者に対して同一の内容で研修を提供できるというメリットもあります。

研修教材を動画にすることの「デメリット」

しかし、その一方で、動画にすることで発生するデメリットもあります。

1つめは、1つの教材の時間をコンパクトにする必要があることです。大学の講義の1コマと言えば90分が主だと思いますが、放送大学の放送授業は45分で1コマになっていますし、有名なYouTuberの動画も10分から45分程度のものが多いように思います。私はこの自粛期間中に「今まで見られなかった映画をたくさん見よう」と意気込んでいたのですが、映画館のスクリーンだと2時間通しで見ても苦痛ではないのに、自宅でタブレットを使って見ていると1時間程度で集中力が切れてしまい、結果として数本しか見られませんでした。このように、自宅等の環境で動画を長い時間集中して視聴してもらうのは難しく、先ほど書いたように15分程度の短い時間で区切って作るのが良いように思います。

もう1つは、視聴者のチェックが厳しくなり、品質が求められるようになることです。対面での研修であれば、講師が口癖で「あのー」や「えーっと」と言っていたり、言いよどむ場面があったりしてもさほど気にはならないのですが、動画だと口癖や間がどうしても気になってしまうように感じます。また、動画に映る講師の肌の色が悪かったり、画質が粗くてモニターに映している文字が読めなかったり、音声にノイズが入っていたりしても、気になってしまいます。提案書を作るときに「見た目が悪いと中身も大したことないように受け止められる」という話をすることがありますが、まさに同じようなことが動画でも起こっており、さらに動画の場合は画質の粗さ、色味、ノイズ、字幕の誤字脱字、講師の口癖、無音の時間など、気になってしまう要素が多岐にわたるのです。

これら2つのデメリットを解消した動画でないと、集中して見てもらえて中身が伝わるものにならない、というのが研修動画づくりで難しいところなのです。

試行錯誤の連続だったトライツの研修動画づくり

と、書いてはいるものの、実際に研修動画コンテンツづくりに取り組んだときは試行錯誤の連続でした。

これらは一部であり、実際にはもっといろいろと問題が発生し、苦労の連続でした。その度にネットを検索し、解決策を探したのですが、今回とても参考になったのが多くのYouTuberの皆さんが語っている「体験談」でした。実際に自分でやってみたことをわかりやすく発信してくれているので、本当に助かりました。

このような試行錯誤を通じて、あっという間に動画撮影のための環境が充実。上の左の写真はトライツ社内での撮影風景です。右手前に黒い布を被った「千と千尋の神隠し」のカオナシみたいなものがいますが、これは角川が自作したプロンプターです。安倍首相が会見で使っているものの簡易版で、布を外して正面から見ると右上の写真のようになっており、タブレットに表示されている原稿を反射させて読めるようになっています。この導入によって、話し手に身振り手振りを交えて話す心理的余裕ができ、説得力が増したことと、失敗が減少して撮影の効率が大幅に向上しました。

また、お客様からのご要望もあり、動画に全て字幕を入れました。最初は「必要か?」と思っていましたが、実際に入れてみると確実にわかりやすくなりますし、イヤホンなしで電車の中でもスマホで見ることができるというメリットがあることも再確認できました。

ちなみにこの字幕作成には、動画から自動で音声を抽出して字幕を作成してくれる人工知能ソフト「VREW」を使っています。かなりの精度で正確に字幕を作成してくれるだけでなく、ムダな「間」を詰めてくれたり、シーンの入れ替えも簡単にできます。これで無料なのですから本当に驚きです。

このような工夫の結果、スタートさせてから10日で研修動画を完成させることができました。お客様からは「これは資料を配布するだけに比べて、効果があると思う」とご評価をいただけてホッとしているところです。

動画コンテンツ制作のコツは「徹底した準備」

この経験を通じて分かってきた動画コンテンツ制作のコツは、「徹底した準備」です。

当初、PowerPointのスライドだけ準備し、それを使って角川が話すという流れにしていました。しかしそれではセミナーなどのリアルな講演と異なり、どうしてもテンポが悪くなって見ている側が飽きてしまいます。

そこで、プロンプターを導入したのですが、これを使うためには一語一句、台本を作成しなければなりません。ただ、結果として伝える内容にムダがなくなり、最初に作った15分の動画とほぼ同じことを伝えているにも関わらず、2分以上の短縮ができた上、格段にわかりやすくなるというメリットがありました。そして、ミスによる撮り直しが減り、動画撮影にかかる時間も大きく短縮できました。講演や客前でのプレゼンのように、相手の反応があった上で「その場のノリで乗り切る」ということができないのが動画の難しいところですが、その対策として「しっかりした台本で相手をリードする」ということがとても重要なポイントだと思います。

また、撮影する際に照明やカメラにマイクの位置、部屋の明るさ、カメラの設定、動画の品質に影響を与える様々な要素について、毎回同じように再現できるように工夫してセッティングするということも大切なポイントでした。これをいいかげんにしてしまうと、画質や音質にバラつきが出てしまい、結果として後の編集に時間がかかったり、撮り直しになってしまうからです。

このように撮影そのものは低価格な機材でそれなりのクオリティのものが撮れるようになっているのですが、効率的に安定した品質のものを作ろうとすると、しっかりした台本を作るとか、機材のセッティングを慎重にやるというような「事前準備」が大切だということを改めて感じました。

これから動画制作に取り組む人への5つのアドバイス

では、これから動画制作に取り組む方へ、トライツの経験に基づくアドバイスです。

  1. カメラ、マイクは専用のものを準備しましょう(スマホでもキレイに撮影できますが、電話が掛かってきたら出られません)
  2. 台本はしっかり作りましょう(できればプロンプターがあった方が効率的に撮影できます)
  3. 最長15分でまとめましょう(長いものは分割してシリーズ化)
  4. 毎回同じ環境で撮影できるように、最初からこだわってセッティングしましょう
  5. 字幕は入れましょう(VREWは便利です)

以上の5つを意識してぜひ取り組んでみていただければと思います。

営業において今後ウェイトが高まる「動画コンテンツ」

緊急事態宣言が解除されてからもうすぐ1か月半。しかし、コロナ禍をきっかけとしてリモートワークを継続させる企業や、国内のオフィスの面積を縮小し効率化する企業が出てきています。このように部分的ではあるものの働き方が大きく変わりつつある日本企業において、すべての研修が動画になることはないものの、今後動画研修のウェイトは確実に高まることでしょう。また、顧客向けのプレゼン、技術的な説明など、動画に置き換えることで営業の効率化や生産性向上につながるものは、研修以外にも多くあると思われます。

ぜひ皆さんの営業研修や営業活動そのものを見てみて、動画に置き換えることで効率化や生産性向上につながるものがないか探してみてください。

ちなみに今回のブログ用に約1分の動画を制作しましたので、ぜひご覧になってください。

インソーシング型コンサルティングによって、お客様の現場のことをわかった上で台本を作成し、短時間で動画まで制作できるのは今後のトライツの特徴の一つになるのではないかと思った次第です。

ご興味のある方はお気軽にご相談いただければ幸いです。

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