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仕事に直結する「最高の営業トレーニング本」のご紹介

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

新型コロナウイルスへの対策として、関東や近畿などの大都市では週末および平日夜間の外出を自粛するように、というアナウンスがそれぞれの自治体から出されています。仕事はリモートワーク化して通勤時間がなくなり、週末や夜間の外出も控えるようになり、家で過ごす時間が格段に増えた方も多いことでしょう。

このような時だからこそ、誰にでも手軽に始められる自己投資「読書」がおススメです。とは言え、「営業についての本はいろいろあるけど、自分の仕事にピッタリ合うものがない」「一般的な内容でなく、仕事に直結する本を読みたい」という方もいらっしゃることでしょう。そのような方向けに、「最高の営業トレーニング本」をご紹介したいと思います。読書が好きな人も、巷の営業本には興味がないという人も、ぜひご一読ください。

アナタの仕事に直結する「最高の営業トレーニング本」とは

Web上には無数の「最高の営業本リスト」についての投稿があり、ほとんどの場合、それらはとても参考になります。しかし、この記事はそのような膨大なリストについてのものではありません。この記事では最高の「営業トレーニング本」をご紹介します。

最高の営業本と謳われているものは、市場に溢れています。一方、この記事で紹介する営業トレーニング本は実際の職務の中で役に立つもので、すべての営業担当者が求める実際の営業の手順や、営業を行う上での要点が書かれています。

それではご紹介しましょう、最高の営業トレーニング本のタイトルです。

自分で営業マニュアルを書こう

持って回った言い方ですし、ちょっと騙されたような気分にもなる文章ではありますが、「自作の営業マニュアルが現実の営業活動に一番役立つ営業本だ」というのはその通りだと思います。ご紹介したのは、リード発掘用ITツールで有名なLeadFuze社のブログ「Best Sales Books and Training Manuals on the Market Today」の冒頭部分です。

このブログでは「市場に出回っている営業本から良いところ取りし、それに自分の業界や会社で役に立つアイデアを組み合わせて、完全オリジナルの営業トレーニング本を作ろう」と主張しています。しかも、言いっぱなしにするのではなく、実際に営業マニュアルを自作するためのテンプレートを公開してくれています。どのような章立て・構成で営業マニュアルを作れば良いのか、早速そのテンプレートを見てみましょう。

1.イントロダクション
・ようこそ
・目次
・(読み手を喚起する/期待を高める)

2.概観
・トレーニングの時間割
・営業担当者の一日
・一般的な営業活動について

3.自社と商品について
・自社の背景情報
・商品一覧
・顧客への提供価値

4.顧客について
・ターゲット市場
・購買担当者の人物像(ペルソナ)

5.営業活動
見込客の発掘
・見込客を発掘する手法の全体像
・Eメール
・SNS
・電話
・ボイスメール
・SMS
見込客のフォロー
・顧客の購買プロセスの理解
・フォローの頻度
・自動化ツールの活用
商談のクロージング
・クロージングの頻度/タイミング
・実証済みのテクニック
・クロージング用の質問集
営業マナー
・良い例
・悪い例
・禁止されている行為

6.必読図書

7.資料集
・自社の組織構造とキーパーソン
・予算や見積に関する情報
・参考記事
・セールスイネーブルメント(訳注:営業活動の有効化)に関連する資料

日本のB2B営業から見ると、SNSやボイスメールなどの「見込客を発掘する手法」の一部に違和感がありますし、「5. 営業活動」のプロセスも合わないという人が多いかもしれません。ただ、そのあたりを自己流にアレンジし直したら十分に使えそうなテンプレートだと思います。私も色々な会社/事業の営業マニュアルを作ってきましたが、「6. 必読図書」という章を作ったことはないので、機会があれば試してみたいですね。

営業マニュアルをさらに進化させる3つのポイント

ただ、LeadFuze社のテンプレートに、足した方が良いものが3つあります。

1つ目は、商談や見込客といった「用語の定義」です。どのような条件を満たせば商談だと言えるのか、見込客とはどのような状態になっている顧客のことを言うのか、といった定義や境界線を明文化することで、自分が営業活動の中で何を重要視しているかを客観的に確認することができます。

2つ目は、顧客との商談の場面やセルフマネジメントの場面での実施内容の「手順化・ツール化」です。自分が普段やっていることを改めて手順として整理し、それをさらにツール化してみるのです。これにより、自分の業務のムラがなくなって品質が安定化するのはもちろん、顧客や関係者に自分の考え方・やり方をよりシェアしやすくなります。

そして3つ目は、自分の営業のやり方・スタイルに「名前を付ける」ことです。自分は何を大事にして営業活動をしているのか、周りの人との特徴的な違いは何なのかを考えて、それに名前をつけることで、よりその特徴に磨きを掛けられるようになるでしょう。

LeadFuze社のテンプレートもよくできているのですが、この3つのポイントを加えることで、より実際の業務での使い勝手がよくなり、より愛着が出てきて、何度も読み返したくなる自分だけの営業本ができるのです。

整理・体系化するときの「考え直し」に営業マニュアル作成の価値がある

「人に教えるのが一番の勉強だ」と言われることがあります。友達との勉強会や、ゼミでの輪読など、自分が学んだことを人に分かりやすく教えようと整理すると、あいまいなままにしていた箇所やきちんと説明できない箇所が出てきて、それを考え直すことでより学びが深くなるものです。

営業マニュアルを自作することは、この「自分が学んだことを人に分かりやすく教えようと整理する」ことと通じるものがあるように思います。色々な会社の営業マニュアルを作ってきましたが、最初の1~2か月は整理・体系化しながら今までその会社があいまいにしていたこと、きちんと定義されていないこと、個人に任せてしまっていたことを改めてプロジェクトメンバーと一緒に考え直すことに時間を使っています。この時間でどれだけ議論を深められるか、深めた議論をいかにシンプルな形(図解)に落とし込めるか、が営業マニュアルの質を大きく左右するのです。

もし、ご自身の営業活動にぴったりフィットした営業本/マニュアルがないと思われている方は、ぜひご紹介したテンプレートをもとに、これまでに蓄積した知見やアイデアを書類化してみてください。そして、整理・体系化する中で出てくる「あいまいなこと」「定義されていないこと」「個人任せになっていること」について、明文化・手順化・ツール化してみていただきたいのです。今頭の中にあることをただアウトプットするだけでなく、一歩踏み込んで考え直してみる。このことにこそ、営業マニュアルを自作することの価値ですし、自社にフィットした営業本/マニュアルを手に入れる近道だと思います。

とは言え、営業マニュアルを一から作るのは大変ですし、うまく整理・体系化できないこともあります。そこで、トライツコンサルティングでは、それぞれの事業に応じた個別の営業マニュアル作成を支援しています。「自分たちの営業のやり方をカタチに表したい」「営業のあり方・やり方を考え直して深化させたい」という方は、ぜひご相談ください。

参考:「Best Sales Books and Training Manuals on the Market Today」(LeadFuze, 2020)

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