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海外調査レポートに学ぶ「B2Bマーケティングに必要なWebコンテンツ」(前編)

Marketing Automation. Computer with a site that builds the robot's hands. Vector flat illustration

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

4月になって1週間と少しが経ちました。新年度を迎えられた企業の中には、「今年はWebを強化する」「Webマーケティング/MAの取組をスタートする」というところもあることでしょう。

一口にWebマーケティングといっても、このトライツブログのような「ビジネスブログ」や、最近多くの企業で取り入れている「ホワイトペーパー」に、商品のデモを見てもらうのに有効な「動画」など、世の中には様々なコンテンツが存在しています。とは言え、すべてのコンテンツを作るという訳にもいきません。どのコンテンツが顧客にとって役に立つのか、どれだけの量のコンテンツを作ったらよいのか、知りたいという方もきっといらっしゃるでしょう。

そこで今回のトライツブログでは、海外の調査レポートをもとに「B2Bマーケティングに必要なWebコンテンツ」についてチェックしていきましょう。B2Bの購買担当者はどんなWebコンテンツを見ているのか、価値を感じるコンテンツは何かなど、役に立つ情報がたっぷりです。

B2Bマーケティング担当者必見!「2019 Content Preferences Survey Report」

B2Bマーケティング・営業に特化した調査・研究会社であるDemand Gen Report社が最近、Webコンテンツに関して素晴らしい出来のレポートを発表しました。その名も「2019 Content Preferences Survey Report」。B2Bの購買担当者はどのようなWebコンテンツに価値を感じているのか、それぞれのWebコンテンツについてどれだけの量を見ているのか、どれだけの時間をかけて見ているのか、購買プロセスのどのタイミングで見ているのか、などの切り口で整理されているので、このレポートを読めばB2BのWebマーケティングに必要なコンテンツが分かるというもの。B2Bマーケティングの担当者はもちろん、B2B営業に携わる方にもぜひ見ていただきたい内容になっています。早速見ていくことにしましょう。

調査データ1:事前の情報収集に利用するWebコンテンツの量

これまでトライツブログで何回も触れてきましたが、多くのビジネスマンがWebで情報収集するようになっています。この記事をお読みの皆さまももちろんその一員ですね。この傾向はB2B購買担当者でも同じ。何かを買おうとするときは、すぐに営業担当者に声を掛けるのではなく、まずはWebで情報収集をするのが一般的です。「では一体どれだけのボリュームのコンテンツを見ているのだろう?」というのが1つ目の調査データです。

B2B購買担当者が営業担当者にコンタクトをとる前に利用するWebコンテンツのボリュームは最多が「3~5つ」の41%。77%の人が3つ以上のWebコンテンツを見てから営業担当者に声を掛けています。ということは、情報収集のために自社Webページを訪れているB2B購買担当者の多くは、めぼしいコンテンツが3つ以上見つけられないとよそのWebページに行ってしまうということ。1つの課題について1つのコンテンツがあればそれでOKという訳でなく、勉強熱心な購買担当者のために複数(できれば3つ以上)のコンテンツを用意しておかなければならないのです。

調査データ2:コンテンツの形式別利用価値ランキング

一口にWebコンテンツと言っても、ご覧のこの記事のような「ビジネスブログ」に「ホワイトペーパー」「ウェビナー」など、いろいろな形式のものがあります。ここで「ウェビナー」とは、Webで見られる動画形式のセミナーのことです。これらコンテンツの形式別でのB2B購買担当者から見た価値のランキング表が、2つ目の調査データです。

ほとんどのコンテンツが3割以上の購買担当者から「価値がある」と回答されていますが、その中で群を抜いているのが「ケーススタディ(事例紹介)」でした。確かに「よそはどう使っているんだろう」「成果は出たのか」ということを知るうえでは大事なコンテンツです。

また、2位のウェビナーは最近米国を中心によく使われていて、以前からある大型のB2Bの展示会やイベントでも、リアルの会場で開催するものとWeb限定で公開するものとの2種類を用意していることが多くなっています。このウェビナーに多くの購買担当者が価値を感じている様子がよく分かります。

最下位ながら19%の人が価値を感じている「インフォグラフィックス」とは、情報(インフォメーション)を視覚的(グラフィカル)に分かりやすく伝えるために図解やグラフ中心でまとめているもののことを言います。「インフォグラフィックス」でWeb検索(画像検索)すると、数多くのサンプルを見ることができますので、ご興味ある方は調べてみてください。

調査データ3:購買プロセスのステージ別に異なるコンテンツの価値

調査データ2をさらに掘り下げて、購買プロセスのステージ別にどのコンテンツを利用する傾向があるかを調べたのが3つ目の調査データです。このデータでは、購買プロセスを「初期」「中期」「後期」の3つのステージに分けています。

上のグラフの中に出てくる「ポッドキャスト」は、音声や動画形式のブログのことです。日本ではダウンロード可能なラジオ放送やニュース番組として視聴されていることが多いようですが、米国などでは個人のコンサルタントやマーケティング専門家、アナリストといった人たちが個人で番組を運営してマーケティングに活用しています。

このレポートの中で一番面白いと私が感じたのがこのデータです。上記のグラフの内容を文章にまとめると、
1)初期ステージ向きの「インフォグラフィックス」と「まとめ記事」
2)初期だけでなく中期でも価値を感じてもらえる「電子書籍」と「ビジネスブログ」
3)初期と中期だけでなく後期でも価値を感じてもらえる「ポッドキャスト」と「ホワイトペーパー」
4)中期での価値を高く感じてもらえる「動画」と「ウェビナー」
と、4つのグループに分かれているように考えられます。このことから、顧客の購買プロセスに合わせてこの4グループのコンテンツをバランスよく配置することが重要だということががよく分かります。

もし皆さんの会社のWebページがインフォグラフィックスとまとめ記事ばかりだと、中期のステージに進んだ購買担当者を満足させることができず、ほかの企業のコンテンツを見に行ってしまうことでしょう。反対に動画やウェビナーばかりのコンテンツだと、初期ステージの顧客に興味をもってもらいにくいはず。ぜひ皆さんの会社のWebページを見て、顧客の購買プロセスのステージ別に不足しているコンテンツがないか、チェックしてみてください。

次回のトライツブログでは続きの調査データ4~6をご紹介します

ここまで「2019 Content Preferences Survey Report」から3つの調査データをご紹介しました。現代のB2B購買担当者が営業担当者に声を掛けるまでにいくつもの、そして様々な形式のWebコンテンツを利用しており、購買プロセスのステージごとに価値を感じるコンテンツの形式が異なっている、という姿が見えてきたのではないでしょうか。

次回のトライツブログでは、「顧客が社内でよくシェアするコンテンツの形式」「B2B購買担当者が考えるWebコンテンツの改善ポイント」など、残り3つの調査データをご紹介しますので、今回の記事と合わせてWebマーケティングの導入や自社Webページの見直しの参考にしていただければと思います。次回もどうぞご期待ください。

参考:
2019 Content Preferences Survey Report」(Demand Gen Report, March 2019)

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