トライツコンサルティング株式会社

デキの悪い提案書を作ってみたらわかった!買う気にならない提案書の2つの特徴

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先週、弊社代表の角川から、私のコンサルタント人生のなかで初めてのオーダーをもらいました。そのオーダーとは「デキの悪い提案書のサンプルを作れ」。

皆さんもデキの悪い提案書に遭遇した(もしくは、不幸にして作成してしまった)経験がおありだと思います。休日を返上してこの作業に取り組んでみたところ、面白い発見がありましたので今回のトライツブログでご紹介します。

最近減少傾向にある「見映えの悪い提案書」

過去の記憶を辿って、「デキの悪い提案書とはどんなものだろう・・・」と考えてみたところ、大きく2つのタイプがあると思いました。1つ目は「見映えの悪い提案書」。そして2つ目は「見映えは良いが買う気にならない提案書」です。

1つ目の「見映えの悪い提案書」を言い換えると、体裁が整っていない提案書です。
・誤字がある
・用字用語が揃っていない
・フォントがバラバラ
・レイアウトが揃っていない(図形やテキストボックスがガタガタ)
・色使いが派手/地味すぎる
・使っている画像の画質が粗すぎる
・図や写真イメージが明らかに不足している
・ページ構成がぐちゃぐちゃ
など、その特徴を挙げていけばキリがありません。こういったアラが見えてしまうと「体裁も整っていないのだから、中身も推して知るべしだ」と思われてしまいかねません。

とはいえ、このタイプの提案書は最近では少なくなってきているように思います。皆さんが当たり前にパワーポイントを使いこなすようになったからです。

ただその反面、「見映えは良いけど買う気にならない」という提案書が増えているように感じています。そこで、今回はそちらのパターンの提案書を作ってみることにしました。

「見映えは良いが買う気にならない提案書」とは

私はこれまで力を入れて見映え良く作った提案書なのに、商談が上手くいかないという事例を沢山見てきました。残念ながら顧客の気持ちが「買おう」という方向に動かないのです。

そこには大きな2つの特徴があるように感じています。

第1の特徴は「押し付け」です。その提案がどこから来たのかという根拠があいまいで、とにかく「売りたい」という主張で押してくるものです。「○○○というコンセプトをご提案します」「市場でもっとも選ばれている当社の商品がベストです」と言われても、顧客にとっては単なる売り込みでしかなく、あらかじめ顧客がその商品を欲しい!と思っていない限り、なかなか気持ちを動かすことに至りません。

第2の特徴は「文脈の欠落」です。提案書にはさまざまな文脈が含まれています。商談の全体の流れがある中での、今回の商談・提案書の位置づけがどうなっているのか、という文脈。どこからこの提案コンセプトが出てきたのか、なぜこの商品が選ばれたのか、という提案書の中に含まれる要素同士のつながりという意味での文脈。デキの悪い提案書はこれらの文脈が欠落しているので、読み進めていくと「なんで?」「どこからこのアイデアがきたの?」「そもそも商談のどの辺りにいるの?」と頭の中がクエスチョンマークだらけになってしまうのです。

そこで、この2つの特徴を意識しながらサンプル提案書を作ってみました。もちろん、よくある提案書の教科書に書いているように、ちゃんと「提案コンセプト」から始まり、それを裏付けるデータのページが続き、具体的な(架空の)提案商品の紹介ページへと続くページ構成にしました。そして用字用語を整頓し、フォントを統一し、レイアウトを揃え、図や写真イメージを充実させて・・・と提案書の見映えも良くしました。ほとんどのマネージャに事前チェックをしてもらっても、きっとOKをもらえるであろうレベルになったと思います。

顧客情報の不足を自分で補ってしまうことで「買う気にならない提案書」が生まれる

我ながらの力作を、月曜日の朝一番に角川に渡したところ、「パッと見だとデキが悪そうに見えないのが難点だな」と苦笑していました。でも、本当にこのように「隠れ不デキ」な提案書が増えていて、それに多くの営業担当者、マネージャが気づいていないというのが現実なのです。

角川からの変なオーダーに応えることで、改めてあることに気付きました。それは顧客の情報が十分でなくても作れてしまうということです。

「顧客はこのコンセプトに関心があるのか、実現したいと思っているのか」
「顧客担当者はどんなロジック/文脈で自社商品を選ぼうとしているのか」
「そのロジック/文脈は、顧客担当者が社内決裁を得るのに十分なのか」

いつも、現場で提案書づくりの支援をしていて悩むことが、今回は全くありませんでした。欠けている顧客情報があっても、こちら側で考えて補ってしまえば、提案書の教科書にあるような立派な構成の提案書が作れたのです。

いつもはどうしたら良い提案書ができるのだろうか、どうしたら顧客の気持ちが動くのだろうか、とばかり考えて苦労していますが、今回はとても楽だと感じました。自分の言いたいことだけで組み立てることができたからです。

顕在化しにくい「買う気にならない提案書」という問題

ちなみに、このような提案書ではまったく受注できないか?というと、実はそうではありません。優秀な営業担当者はこのような提案書であっても、口頭で上手くカバーし、顧客の購買意欲を高めることができてしまいます。しかし、それでは顧客担当者が社内で上司に上手く説明できず、「あんなに反応が良かったのに・・・なぜ?」となってしまうことが少なくないのですが、その時には顧客から「提案書のデキが悪かった」とは言われませんので、問題が顕在化しないのです。

もちろん自分の意思を顧客に提案をしていることにはなりますので、立派な提案行為ではあります。しかし、それで顧客が「買いたい!」と思って動いてくれなくては意味がありません。

どの企業にも当たり前のように顧客ごとにカスタマイズしながら使っている提案書があると思いますが、それが顧客にとって「買う気にならない」ものになっていて、それを営業担当者がトークで補っているとしたら・・・。それは営業の提案行為という、仕事の生産性を低下させるウィルスが蔓延していることになってしまうのです。一刻も早く退治する必要があるのではないでしょうか。

ところで、私が休日を返上して作ったこの「デキの悪い提案書」、角川はいったいなにに使おうとしているのでしょう?

トライツコンサルティングでは、営業の現場力向上の一環として、個別商談で使用する提案書の企画・設計支援から赤ペン添削まで実施しています。また、提案書の構成と受注/失注分析を組み合わせて、より受注に至りやすい「提案書の勝ちパターンづくり」もご支援しています。「提案書作成力を高めたい」「誰もが質の高い提案書を作れるようにしたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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