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御社の営業は世話を焼いていますか?「与える営業」のススメ

Businessman hiding behind his back gift for his boss

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B2B営業では「ギブ・アンド・テイク」という言葉を耳にすることがあります。業界によっては、お互いに案件(商談)を渡し合う「ギブテク営業」が商慣行として当たり前に行われているところもあるようです。

今回のトライツブログでは、そんなB2B営業にとってなじみの深い「ギブ」と「テイク」について、関連書籍をもとに考えてみたいと思います。

最高の成功者は「与える人」

ペンシルバニア大学ウォートン校で組織心理学の教授を務めるアダム・グラント氏が2014年に出版した著書「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」では、組織で成功する人には「勤勉さ」「才能」「幸運」に次ぐ第4の要素として「ギブとテイクの関係」があると述べています。

企業や大学内での実証研究を重ねた結果、人はギブとテイクのバランスについて以下3つのパターンで行動する傾向があることが分かりました。

この3パターンと成果との関連性を調べたところ、最も成果が高い層と最も成果が低い層の両端をギバーが占める割合が一番高かったのです。つまり、ギバーは単なる「お人よし」だけでなく、「最高の成功者」になる可能性があるということなのです。

この本では、ビジネスの世界では過小評価されがちなギバーに光を当て、研究結果やエピソードをもとに成果を上げられるギバーになるための法則を探っています。

ギバー型の営業=上手な世話焼き

「GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代」で取り上げられているギバーを、営業の世界で置き換えるために違う言葉で表現しようとすると「奉仕者」や「サービス精神の旺盛な人」などいろいろ考えられますが、私が最も近いと思ったのが「世話焼き」です。

「○○があった方がいいと思いましたのでやっておきました」
「私の友人に○○が得意な人がいますのでご紹介します」
顧客のために直接儲けにつながらないようなことでも、喜んで時間を割く。このように人の世話を焼くことが長い目で見ると大きな利益につながるものである、ということです。

ただこれも、やりすぎたり、勝手な思い込みで余計なお節介だと思われてしまったり、見返りを期待している下心が透けて見えてしまったりして、相手が不愉快になるようでは意味がありません。相手に喜んでもらえる「上手な世話焼き」ができるようになろう、と読み換えることができるのではないでしょうか。

営業の世話焼き文化が失われつつある!

以前は私もお客様から飲みの席などで、顧客のために休日を返上して対応したり、本来の仕事ではないことを手伝ったりしていた結果、相手の仕事が大成功したり、出世したりというような「世話焼き武勇伝」をよくお聞きすることがありました。そんなときは、周りの人たちも「そんなことまでやったの!?」「でもそんなことが大事なんだよなぁ」と、楽しそうに聞いていたものです。

しかし、現在の営業では世話を焼きにくい環境になりつつあります。KPI明確化などのマネジメントや、コンプライアンスやセキュリティといったものが強化されたことで不要なことをやりにくくなっていますし、費用対効果という考え方が浸透しているなか、効果を説明しにくい「世話焼き」にはどうしてもブレーキがかかってしまいます。そのため、「営業が当たり前に世話を焼く」という文化が急速に失われつつあるように思えるのです。

世話焼き文化が失われつつある理由として、マネジメント強化以外にも、「個人/組織の精神的な余裕」というものもあるのではないでしょうか。世話を焼く自分も面白いと思えて、それを見聞きする周りの人も面白がってくれる、そんな精神的な余裕が日本の組織から少しずつ失われてきている、そんなように思えるのです。

人の世話を焼かない組織は、世話を焼いてもらえなくなる

新約聖書に「与えなさい。そうすれば、あなたがたも与えられる」とあるように、昔から人の世話を焼いたらそれが返ってくるものと捉えられています。人の世話を焼かなくなると、周りからも「会わせたい人がいる!」「一緒に新しいことをやってみよう!」といった世話を焼いてもらえなくなってしまいます。

「そういや最近、世話焼き武勇伝を聞いてないな」
もしこんなことを感じておられるとしたら、あなたの組織も余裕がなくなっているのかもしれません。

今回ご紹介した「世話焼き」以外にも営業現場には、独自のノウハウや経験知が数多くあります。それを伝承する手段の1つが、営業成功モデルのマニュアル化と研修です。トライツコンサルティングではマニュアル化・研修設計をご支援しています。「ウチの営業に残したいノウハウがある」という方は、ぜひご相談ください。

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