トライツコンサルティング株式会社

必要なのは工夫と技!営業は「商談スピードアップ」のアイデアマンであれ!

Financial planning

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

コンサルタントとして営業現場の課題を伺っていると、「商談のスピードが遅い」という声をよく聞きます。
「顧客対応はしているが、いつまでも受注にならない」
「顧客の要望に振り回されてばかりで、なかなか前に進まない」

実際にどのように顧客対応をしているかを詳しく聞いていくと、相手の要望を聞きすぎていることが商談スピードを遅らせている原因になってしまっていることがよくあります。顧客が社内で調整したり検討したりしているという話を素直に聞き、「では何か進展ありましたらご連絡ください」と言って帰ってしまう。外から見ていると商談を相手任せにしているのですが、営業担当者としては顧客の要望にきちんと対応しているように思ってしまっています。

もちろん、顧客の都合を無視してむやみに急かすのでなく、相手の状況を確認した上でやりたいことを早く実現できるように社内での話の進め方を提案してあげることが大事な役割ですし、商談をスピードアップさせるために大切なことなのです。

今回のトライツブログでは、商談のスピードアップのために営業が提案できる工夫と技について考えてみましょう。

【工夫と技 1】オーソドックスな『トップダウン営業』

商談のスピードアップのために昔からよく使われるのは、トップダウン営業です。
名刺管理ソフトのテレビCMのように、社内のメンバーと顧客トップとのつながりを見つけて商談の後押しやキッカケづくりに活かし、商談を加速させます。

ある建設会社では自治体案件受注のためにトップダウン営業を活用しています。自治体トップと懇意にしている会社との関係づくりや、大学の同窓会や地元のスポーツ同好会のような場を活かして、自治体トップとの関係をつくり商談の中にすんなりと入っていく仕事のやり方を持っています。

顧客にとっても外部からトップに話をしてもらう方が話がスムーズに進むことになることもありますので、うまく活用すれば相手にも喜ばれます。ただ勝手にトップダウン営業を進めてしまうと現場がへそを曲げてしまうこともあるので要注意です。

【工夫と技 2】専門家を集めて目指す姿をデザインする『勉強会』

ある化学品メーカーA社の営業は素材の提案から具体化までの商談スピードに頭を悩ませていました。素材を提案しても最終製品の形状や加工をどうするかなど、商談を進めるためには決めなければならない要素が数多くあり、しかもそれらの要素が互いに影響しあうため顧客社内の調整を待たされることが多かったのです。

そこでA社の営業が考えたのが勉強会です。よくあるメーカー間の勉強会は、自社と顧客の製品や技術などお互いのことを共有し合ってビジネスを模索する「お見合い」のようなものが多いです。しかし、A社はそれを具体的な商談の早いタイミングで提案し、お互いの関係者が直接コミュニケーションする場をつくっているのです。これによって、素材の特性や加工方法について理解してもらった上でどのように商品化するかのディスカッションができています。専門家が集まって疑問をぶつけ合いそれを解消していくことを通じて、どのような最終製品をつくればよいのか、どのような技術を使って加工・製造したらよいのかをスピーディに具体化することで、顧客側で時間がかかる社内調整を迅速におこなうことを支援し、顧客の担当者にも喜んでもらえています。

 【工夫と技 3】その場で調整・意思決定できる『プロジェクト』型商談

上で紹介した勉強会は単発ですが、これをさらに突っ込んで商談を顧客との共同プロジェクトとして提案し、自社と顧客の関係者を巻き込むことで商談のスピードアップに成功しているケースがあります。定期的に商談の関係者が集まり、社内調整や意思決定をできるかぎりそのプロジェクトの中でおこなうことによって、商談すなわち共同プロジェクトの推進をスピードアップできるのです。

ちなみにプロジェクト型商談としてわざわざ立ち上げなくても、商談を進めている中で徐々に関係者が打合せの場に同席するようになる「なんとなくプロジェクト」ができていることもあります。しかし、明確に「プロジェクト」として立ち上げることにより顧客側の関係者にも強く意識されますし、他社の排除にもつながります。また、プロジェクトという名目で定期的にコミュニケーションの場が作れ、他のテーマについても相談されやすくなるなどのメリットもあります

このようにメリットの多いプロジェクト型商談ですが、本気で取り組まないと「あれは何だったんだ?」とマイナスの印象を持たれて逆効果になるので、最初に自社の関係者を集めて腹をくくり万全の体制を整えておくことが必須です。

営業は商談スピードアップのアイデアマンであれ!

上でご紹介した3つの手法以外にも、顧客の先にいるエンドユーザーやエンドメーカーの要望を聞いてそれに対応することで目の前の顧客が決めかねていることを決定させるなど、商談をスピードアップするためのアイデアはたくさんあります。ここで大事なのは営業が何か1つの必殺技を持つということではなく、相手の状況に応じて色々なアイデアを提案できるようになること。顧客の悩みをしっかりと聞いてそれに対してベストだと思えるアイデアを返すことを受注まで続けられる営業になれたら、受注だけでなく顧客からの信頼も勝ち得ることができるでしょう。

商談スピードアップのアイデアをたくさん持っている営業になろうとして、本屋に行って企画やアイデアの本を読み漁ってもうまくいきません。大事なのは頭の中にあるアイデアの量よりも、商談をどのように見ているかという意識の問題なのです。営業はつい「目の前の担当者に買ってもらうためにどうしようか?」と考えてしまいがちですが、「この人が社内でこの案件をスピーディに進められるようにするにはどうしたらよいのだろう?」と顧客の立場から商談を見ようと意識することで、顧客に本当に必要なアイデアを出すことができるようになるでしょう。

とは言え、その時々の商談の状況に合わせて商談スピードアップのアイデアをタイムリーに出していくのは難しいものです。トライツコンサルティングでは、営業現場で商談サポートを行う中で「アイデアマン」として機能しながら、営業マネージャーや営業担当者の「アイデアマン」としてのスキルアップも同時に行っています。ご興味のある方はぜひ下記よりお問い合わせください。

モバイルバージョンを終了