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2020年までにB2B営業担当者の5人に1人がいなくなる?

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「B2Bビジネスは今後激変するでしょう」フォレスター・リサーチは4月13日に発表したレポートで、製造業・小売業・卸業の営業担当者の仕事が急速にWEB購買・調達に置き換わりつつあると述べています。とても興味深い内容ですので、今週のトライツブログでは、このレポートをご紹介したいと思います。(原文はこちら

「B2Bセールスマンの死」という衝撃的なタイトルのレポート

このレポートでは、WEB購買・調達化により2020年までに米国のB2B営業担当者450万人のうち22%にあたる100万人が失業すると予測しています。

「B2B購買担当者の仕事のしかたがここ数年で変わりつつある」とレポートでは解説しています。フォレスター・リサーチがInternet Retailer誌で236人のB2B購買担当者に調査したところ、75%近くは営業担当者から買うより、WEBサイトで買う方が便利だと回答しています。また彼らの93%は、既に買うものが決まっているときはインターネットで購入したいとも回答しています。

複雑な商品やシステムを購入する大企業の購買担当者向けに、上質なサービスを提供する営業担当者はその頃でも健在であると想定されています。その一方、単純な受注処理型の営業の多くが職を失うと予測されています。レポートには「受注処理型の営業は大変です。営業担当者が付加価値を提供したとしても、それは注文プロセス上の価値でしかありません」と記されています。

さらに営業担当者を以下の4つのカテゴリーに分け、予測失職率は営業担当者が提供するサービスのレベルと逆相関の関係になると予測しています。

『受注処理型営業』:注文を処理する営業です。顧客が簡単にWEB購買・調達に切り替えられるため、この受注処理型営業160万人のうち55万人(33%)が職を失うと予測されています。

『説明型営業』:購買担当者に対して複雑で難しい商品の情報提供をする営業です。予測では150万人のうち40万人(25%)が職を失います。

『ナビゲーター型営業』:自社が何を購入すればよいか顧客が理解するのを支援する営業。90万人のうち15万人(15%)が職を失うという予測。

『コンサルティング型営業』:顧客の企業について広範な知識を持った上で、自社が何を購入すればよいか顧客が理解するのを支援する営業です。このカテゴリーの営業は50万人から55万人へと10%増えるとの予測です。

これらの変化によって強く営業を受けるのは特に小売業や卸業の営業担当者であり、最新技術を用いた製造業や医師などの医療サービス提供者はあまり影響を受けない、とされています。

加速するセルフサービス型のWEB購買・調達化

B2B企業やB2G(政府等)企業のeコマース化の増大がセルフサービス型のWEB購買・調達化を加速させるとレポートは指摘します。現在米国ではB2B企業の25%がインターネットで販売しており、さらに多くの企業が顧客により快適に購買活動をしてもらえるようにeコマースサイトで商品情報や検索機能を提供しています。eコマースによって、多くのB2B購買担当者が誰かにわざわざ「何を買いたいか」説明しなくてもよくなるでしょう。

またオンライン注文の効率化が進み、販売側の人件費や運営費が安価になってきていることからWEB購買・調達化が加速します。営業担当者による紙ベースの受注1件につき24.48ドルのコストがかかっていたのに、オンライン注文に変えたことで1件につき1.5ドルまでコストを削減できた事例が紹介されています。

しかし、多くの部門を対象とする複雑な商品・サービスを購入するときなど特定の条件のもとでは、B2B購買担当者が営業担当者から買うことを望むようです。ただし、そのような場合でも購買担当者と営業担当者のコミュニケーションはデジタル化が進むでしょう。購買担当者は電話などではなく、Eメールやチャット、グループウェアなど、よりデジタルな手段を使って営業担当者と話をするようになるのです。

コンサルティング型営業には自然に変われない

さて、レポートのご紹介は以上です。米国のレポートですので数字の割合など日本とは違う部分もありますが、B2B購買担当者の仕事のしかたが変化してきており、WEBサイトで買う比率が増えるというのは日本でも同じでしょう。一方、顧客の声を聞いてみると自社のために考えてくれる「相談相手」を求めている面もあり、この声に応えるためにコンサルティング型営業は増えていくでしょう。これは我々がB2B営業コンサルティングの現場で日々感じていることでもあります。

しかし、コンサルティング型営業は営業担当者が日々努力を重ねていればできるようになるものではないと考えます。「売り込む」というスタンスから「相手のために考える」というスタンスに変わるためには、経営トップやマネージャーまで含めた大きな「変革」が必要だからです。

挑戦する組織・個人に勝ち残るチャンスがやってきている

このように考えると「B2Bセールスマンの死」という衝撃的なレポートが示す変化は、どの企業にも等しい比率で起こるものではなく、変革に挑戦し、成功した組織・個人が全体として生き残り、そうでないところは丸ごと淘汰されてしまう、という大きな変化が起こると捉えるべきだと考えます。

これは決して危機ではありません。あなたの営業が勝ち残る大きなチャンスが訪れようとしているのです。

今後激変すると言われるB2Bビジネスに御社はどう対応しようとお考えでしょうか。もしこれからの営業改革を一緒に考えてくれるパートナーが欲しいとお考えであれば、トライツコンサルティングにお気軽にご相談ください。

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