この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

あけましておめでとうございます。

新しい年を迎え、今年はどのように営業改革に取り組んでいこうかとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。営業部門においても働き方改革に注目が集まり、売上や利益を拡大するだけでなく、その効率をいかに上げていくかが課題になっているように思います。

そこで注目されるのがデジタルツールの活用です。特にAIに対しては、人手不足を補う救世主として期待されているように感じています。

そんな中、既に新聞広告をご覧になってご存知の方もいらっしゃると思いますが、私は「営業部門の働き方改革」をテーマにした日本経済新聞社主催のセミナーに登壇することになりました。京都を皮切りに名古屋、仙台、東京と全国4箇所で開催されます。そこで、今回のトライツブログはこのセミナーでお話する予定の内容を少しご紹介しながら、今年トライツとして取り組んでいきたいと考えていることをお伝えしたいと思います。

「営業部門の働き方改革~デジタルテクノロジーの活用で営業生産性向上を~」がメインテーマ

そもそもこのようなテーマで日経新聞社主催のセミナーが開催されるようになったこと自体、隔世の感があります。私自身、20年以上前から営業部門のIT活用に取り組んできましたが、ずっと最重要課題は「いかに稼ぎを増やすか」であり、そのためのテクノロジー活用の新しいコンセプトが出てくると注目が集まるということが繰り返されてきたように思います。

しかし、今回は働き方を変えるということに焦点が当てられています。このようなことはこれまでなかったことで、「世の中変わったものだなあ」と感じています。そして、この流れを単にシステムを導入するためのキャッチーな流行り言葉にしてしまうことなく、「本当に営業部門の働き方が変わった」と現場から聞こえてくるようにしていくことが大切だとも思っています。
と言いますのは、「働き方改革」は政府主導の流れではありますが、実際に日々営業現場に接している私から見て、各社の営業部門の働き方改革はかなり切実な課題だからです。ITの有効活用はいつまでも進まず、非生産的な仕事のやり方を繰り返すことが日常化しているのですが、誰もそこにメスを入れることができていません。

ただ、表面的に見ると、パソコンは使いこなしていますし、スマホも日常的な報告に活用されている。メルマガなどのWebマーケティングも取り入れているし・・・ということで「自社の営業部門はそれなりにデジタル化できている」という誤解が生じてしまっています。

何が「間違いだらけ」なのか?

そんな中で、ITベンダー各社は目新しい機能を持ったクラウドサービスを売り込んでいます。事例を聞くと、それを上手く使いこなしている企業は大幅な生産性向上に成功していて、それはとても魅力的に見えるはずです。

しかしながら、自社の営業部門の現在の在り方に問題意識を持ち、自らそのような話を聞き、推進しようとする人は社内で少数派であることがほとんど。せっかく誰かが提案しても、多くは「既にそれなりにデジタル化に取り組んでいる」「新しい投資をするなら費用対効果を明確に示せ」「我が社でそんなものを使いこなせるのか?現場の声をもっと聞け」などと暗礁にのりあげてしまうことが多いようです。

このようになってしまう最大の原因は、「自社の現在の営業」に対する問題意識の欠如にあるように思います。Webの普及で顧客の購買活動が激変しているのに、それに対応する営業のやり方になっていなかったり、非効率なやり方であまり意味のない毎月の報告資料を作成しているなどということを繰り返し、現場が疲弊している現状に対する認識が甘く、「わざわざそんな投資をしなくても、現場で少し工夫すれば何とかなるのでは?」という考えからウヤムヤにしてしまっていることが少なくありません。

結果として、そのような問題解決に本質的に取り組もうとせず、「できる範囲で」新しいデジタルツールを導入しても十分な成果を上げることなく終わらせてしまうという「間違い」を犯してしまうのです。

7つの「間違い」についてお話します

そこで、今回のセミナーで私は、ありがちな7つの「間違い」を挙げ、それぞれについて具体例を示しながらお話をさせていただこうと考えています。

その7つの「間違い」の一部をご紹介しますと・・・・
■同業他社の事例が豊富なシステムを導入する方が間違いはない
■とにかく入力の習慣づけが大切だ
■結果(数字)だけでなく、営業プロセスをマネジメントすることが営業生産性向上につながる
■Webマーケティングはできることから始めるべき

残りの3つとそれぞれの内容についてはセミナーでのお楽しみにさせてください。
私からの問題提起の後で、それ以降の各社さんのプレゼンテーションを聞いていただくと、本当の「働き方改革」につながるデジタルツール活用を考えていけるのではないかと思っています。

今年はトライツとして「営業部門の働き方改革」に取り組んでいきます

また、昨年末からお伝えしておりますが、1月17日に日経新聞出版社から日経文庫「営業デジタル改革」が発売されます。こちらでも「働き方改革」につなげていくために、デジタルツールを活用しながらどう営業改革に取り組むかをテーマに書いています。

そんなことで、今年はトライツとしても現場の「営業のやり方」だけでなく、もっと広い範囲で「営業部門の働き方」にフォーカスし、実践的なコンサルティングを行っていくと共に、トライツブログなどで海外の事例や、我々の考えを発信していきたいと思っております。

「働き方改革」への関心の高まりを一過性のものにするのでなく、顧客も営業現場も「良くなった」と言われる本質的な改革につなげることができるよう我々も取り組んで参りますので、今年もトライツコンサルティングをよろしくお願い致します。

セミナーの詳細につきましては下記をご参照ください。
日経産業新聞フォーラムへのリンク