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「知っている」と「できる」は大違い!B2B営業マトリクス分析のススメ

「知っている」と「できる」は大違い!B2B営業マトリクス分析のススメ

3月10日に刊行しました「ビジュアル思考×EXCELで営業の成果を上げる本」を既にお読みいただいた方から、「面白かった」「解説が丁寧でわかりやすかった」などというご感想を伺っております。

本の中ではいろいろなEXCELのユニークな活用事例をご紹介していますが、その中でも特に皆さんにオススメしたいのが「なんでもマトリクス」です。マトリクス分析とは、縦横の2つの異なる座標を切り口として分析する手法で、有名なものにはBCGグループのプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントがあります。

4つのセグメントに分けて分析することで、通常のリスト表示では見えてこなかった傾向がつかめたり、偏りやヌケモレなどを発見できます。また、それぞれの要素の位置付けを明確にし、どのような手を打つべきかを決めることにも役立ちます。

今回のトライツニュースではそんなマトリクス分析について考えてみましょう。

知っているけど、誰も実際にはなかなかできないマトリクス分析

マトリクス分析については多くのビジネス書で紹介されています。従って私から「こういうのやってみませんか?」と提案してみると、「ああ、そういう教科書に書いてあるようなことは皆知っているし、頭の中でやっていますよ」などという答えが返ってくることが少なくありません。

この「教科書に書いてある」というのは、「一般的」で「誰でも知っている」ということを意味し、「頭の中でやっている」というのは、「わざわざやらなくても意識していれば十分である」という認識のようです。
また、「我が社ではマトリクス分析を導入しています」と言われて、具体的にどうやっているのか伺うと、単に4象限のどれかに営業担当者が振り分けているだけということだったりすることもあります。

誰もが知っているのに、なかなか誰もしっかり分析できない。シンプルが故にわかりやすいが、わざわざ分析しないでも答えはわかっていると思われてしまう。このようなことから、どうも営業分野においてのマトリクス分析とはこのような「分析モドキ」にしかなっていないことが多いように思います。

評価基準を作ることに大きな価値がある

しかし、実際にこの分析をやってみると意外な価値に気付くことになるでしょう。まず一つは「評価基準を作ること」です。例えば既存顧客を分析する際には、縦軸を「顧客のポテンシャル」、横軸を「取引の充実度」などとすることが一般的ですが、ここに戦略的な要素を加えて縦軸を「自社戦略の適合度」、横軸を「戦略の達成度」にしてみると、その企業オリジナルの「意思」の入った軸になります。

ただこれを実際にやろうとすると、
「自社の戦略とは何か?」
「自社の戦略に適合した顧客とは?」
「顧客を何でどうやって測り、自社の戦略に適合した顧客を浮き彫りにするか?」
ということをかなり突っ込んで考える必要性が出てきます。そこで得られた答えは、自社の戦略をデータ化する上でとても大切な意味を持つのです。

例えば新製品を頻繁に発売している顧客に、提案力を発揮してビジネス拡大をしていきたいと考えていた場合、「顧客の商品開発体制」や「年間の新製品発売アイテム数」などが指標として有効になってくるでしょう。これは単に顧客の年商などだけでザックリと評価するよりも、かなり正確に判断することができるということがイメージできると思います。

ちなみにこのようにして必要な情報を絞り込んでいった時に、社内にある既存の顧客データベースの中に必要な情報があることは皆無です。それは総花的に管理する情報項目を設定していることがほとんどだからです。
評価基準を作ることで、本当に管理すべき顧客情報が見えてくる上に、それを管理、収集できていない現実に気付く。これは大きな評価基準づくりの価値だと思います。

顧客、商談、商品・サービス、どれもマトリクス分析は有効

他にも分析結果に基づき、それぞれに「何をするか」ということを検討していくと、それは明確な「選択と集中」につながるということに気付かれると思います。

一般的に「選択と集中」を提唱するトップや営業企画スタッフは、ターゲットを選んだ後、「とにかくターゲットに活動を集中せよ」「活動内容を報告せよ」とやりますが、既存客全体からトータルで予算達成をしなければならないと考える営業担当者は、全体のバランスを取った活動をしていこうとしますので、結果として中途半端な「選択と集中」になってしまうことが多いのです。

これに対して、既存客に対してマトリクス分析を行ったある化学系の原料メーカーでは、縦軸、横軸共に評価の低い象限の顧客を代理店に移管し、ターゲットに集中できる体制を整えることでトータルでの売上拡大に成功しました。このように「選択と集中」を考える場合には、重要度が高くない顧客を成り行き任せにするのか、代理店などに移管するのか、Webや電話での営業に切り替えるのかなどはっきりすることで、営業担当者がターゲット顧客への活動に集中できるようになるので、「選択と集中」をすることの効果がトータル数字に表れやすいのです。

このことは顧客に関することに限らず、進行中の商談や、商品・サービスも同様です。マトリクス分析することで、戦略的に優先順位を付け、「これからどうするか」ということを決めやすくなるというメリットがあると思います。

EXCELを使ってマトリクス分析をやってみよう

しかし、こんなに誰もが知っていて、顧客や商談、商品などの戦略的な優先順位付けに活用できるマトリクス分析ですが、残念ながらそれを簡単に行えるツールはほとんどありません。だから実際にやってみた人がいないということも言えます。EXCELのグラフ作成機能にある散布図を使えばどのようなバラつきかはわかりますが、それぞれがどの顧客なのか、商品なのかがわかりません。

そこで、もっと皆さんにこのマトリクス分析の「知っているのとできるのは大違い」ということを知っていただきたく、前日発売されました拙著「ビジュアル思考×EXCELで営業の成果を上げる本」では、このEXCELを使ってマトリクス分析を行う方法を「なんでもマトリクス」として解説しています。サンプルファイルも付いていますので、すぐに実際のデータを使ってマトリクス分析ができるようになっています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

また、本では紹介していない評価基準の作成方法やそのサンプル、組織で活用するプロセスなどをホワイトペーパー(ダウンロードできる資料)としてご用意しました。こちらからダウンロードできますので、こちらもご活用いただければと思います。

投稿者プロフィール

角川 淳(つのかわあつし)
既存の営業の良い部分を活かし、現場に合わせて新しい考え方や道具を取り入れる「営業リフォーム」がコンサルティングコンセプト。事業の継続的な発展を支援します。
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