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投資家の視点で見る、B2B営業に欠かせないSFA・MAの現在と未来

投資家の視点で見る、B2B営業に欠かせないSFA・MAの現在と未来

囲碁から生まれた言葉で「おかめはちもく」というものがあります。漢字で書くと「傍目八目」。字のとおり、当事者よりも周りで見ている人の方が、先の手まで見通せるというものです。確かに自分が没頭しているときは、大事なことを見落としてしまいがちなので、客観的な周りの目が役に立つことはあると思います。

これまでトライツニュースで取り上げてきたSFAやMA(マーケティングオートメーション)。これらについて、その技術や考え方をいかに活用するか、という観点でご紹介してきました。

今回のトライツニュースでは、少し趣向を変えて、これらの分野について客観的な「傍目八目」で見てみたいと思います。題して、「投資家の視点で見るSFA・MAの現在と未来」。それでは早速見ていきましょう。

投資調査会社Zacks社が注目するSaaS分野

アメリカの大手投資調査会社Zacks Investment Reseaches。その子会社の運用会社は、2013年にInvestmentNews社から投資パフォーマンスのトップに選出されたこともある実力派の投資調査会社です。そのZacksが最近発表したビデオ記事「SaaSy B2B Sales Are in the Clouds」に、投資家から見たSFAやMAがよくまとまっているので、内容をまとめてご紹介します。

まず、SFAやMAは投資家から見ると、SaaS(サース、サーズ)という分類の中に入れられます。SaaSとはソフトウェアを利用者の端末にインストールするのではなく、システム提供者の方で動いているものをネットワーク経由で利用するというものです。このSaaSという分類には、AmazonやGoogle、Facebookといった大企業が含まれています。そしてもちろん、SFAの旗手であるSalesforceや、最近台頭しているMAのHubSpotやMarketoといった企業もSaaSという分類の中に含まれています。

このSaaS、現在投資家から非常に注目されている分野だということです。紹介したZacksの記事の中には、その理由が2つ述べられていますので、次の節で簡単に確認することにします。

SaaS分野が投資家から注目される2つの理由

1つ目の理由は、「ビッグデータ」「クラウド」「AI」「ロボティクス」という、既存経済の大破壊(かつ、まったく新しい市場の創造)につながる最新技術に対して、買収も含めて積極的に投資をしていることです。AIは最近自動車や家電などで取り入れられつつありますが、SaaSはこの4つのキーワードをすべてカバーしている数少ない分野なのです。昨年SalesforceがEinstein(アインシュタイン)というAI機能をリリースしたことは皆さんの記憶にも新しいことでしょう。このAIは社内外のビッグデータを解析して、最適な営業行動を設計したり、メール等の文章を作成したりする機能を持っています。

2つ目の理由は、SaaS分野の企業は上記4つの技術を中心に、多くのベンチャー企業を買収し独自の経済圏を構築しつつある、ということです。特に多くの企業を買収してきたGoogle、Amazon、Facebookの3社のことを「The G.A.F Economy」と呼び、それぞれが一大勢力になっていると評しています。

このように、SFAやCRM、MAを含むSaaS分野は、投資家にとって決して軽んじることのできない、大事な投資対象になっているそうなのです。

では、このSaaS分野、これからの伸びはどのように見られているのでしょうか。

SaaS分野での成長の鍵は「世界中の中小企業への普及」!

Zacksは、今後の成長の鍵は「世界中の中小企業への普及」にある、と考えています。例えば、オンライン広告の世界を一変し、中小企業でも安価に広告宣伝をできるようにしたGoogle Adwords。「大企業によるマス広告」中心の広告の市場とは別に、「中小企業によるオンライン広告」という新しい市場を作り出しました。

また、昨年はFacebookがキャンペーン機能を強化したことで、広告収入を265億ドル(約3兆円)へと急伸させました。これも、中小企業に扉を開いたことで、「DMなどによる大企業のターゲットキャンペーン」とは別に、「中小企業でもできる安価なターゲットキャンペーン」という新しい市場を作れた事例であると言えます。このような世界中の中小企業への普及、そしてそれによるまったく新しい市場の創出が、投資家にとってのチェックポイントの1つとなっているようです。

そして、この「世界中への中小企業への普及」という観点から、Zacksが注目しているSaaS企業がいくつか紹介されています。その筆頭に挙げられているのが、世界中の中小企業向けにMAサービスを提供しているHubSpot社。記事の中でも紙幅を多めに割いて、ビジネスモデルを解説されています。他にも、中小企業向けCRMのInfusionsoft社や、中小企業向けコールセンターシステムのZendesk社なども要チェック企業として紹介されています。皆さんがご存じない企業もあると思いますので、一度Webで調べられてはいかがでしょうか。

よく知っている市場だからこそ、外部の客観的な目で見てみよう

これまで、海外のSFAやMAに関する事例や最新技術を紹介する記事の多くは、トライツニュースも含めて、「日本のB2B営業が遅れをとっていないか」「日本のB2B営業に欠けているものはなにか」という観点のものが多かったように思います。しかし、ビジネスの世界に栄枯盛衰というものはつきもの。昨夏の「米Verizon社によるYahoo!の中核事業買収」というニュースは、Web時代を牽引してきたガリバー企業Yahoo!を知っている人には大きなショックを与えたことでしょう。

今のSFAやMAの大手企業の技術や事例だけを「先進的」であり「目指すべき」ものだと捉えるだけではなく、「この市場は外部から見て魅力的なのか」「今の大手企業に今後取って代わるのはどんな企業なのか」というように外部の客観的な視点でも見ながら、SFAやMAの将来について考えてみることも大事なのだと思います。そして、その1つとして、投資家やアナリストの視点は普段のビジネスではあまり着目しないところに目を向けさせてくれる、面白い観点なのではないでしょうか。

これからもトライツニュースでは、B2Bセールス&マーケティングについて、さまざまな観点から現在の動向と将来の動きを調査・報告していきたいと考えています。引き続き、トライツニュースをB2B営業とマーケティングの情報収集にご活用ください。

 

参考:「SaaSy B2B Sales Are in the Clouds」(Zacks Investment Reseaches, February 21, 2017)

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
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