コミュニケーション

その会話、伝わってる?顧客との「伝言ゲーム」を変える工夫

その会話、伝わってる?顧客との「伝言ゲーム」を変える工夫

Webの進化により、自分たちで購買プロセスをどんどん先に進めるようになったB2B顧客。以前のトライツニュースでは、その顧客の購買プロセスに関わり、それを支援するためのキーコンセプト『CCV』(Crossover(横断的)、Collaborative(共創的)、Visualising(視覚的))をご紹介しました。

先日のセミナーでもこの『CCV』の考え方やそれを反映した営業ツールを3つお伝えしましたが、今回のトライツニュースではセミナーでご紹介しなかった「商談をVisualising(視覚化)する営業ツール」について考えてみたいと思います。

顧客との会話、抜け漏れありませんか?

先日、ある営業担当者の客先訪問に同行する機会がありました。以前に提案を出した顧客へのフォロー訪問で、その後の顧客社内での検討状況を聞いて提案内容の微調整をしたり、顧客担当者と今後の進め方の相談をしたりする、という場面。そのため、いろいろと確認しなければなりません。

「ご提案内容について、部内の皆さんの反応はいかがでしたか?」
「競合との差別化ポイントについて、納得されてましたか?」
「費用についても、問題なさそうでしたか?」
「幹部の方にはいつ頃ご説明されますか?」
「導入の時期はいつ頃になりそうですか?」
などと、営業担当者があれやこれやと質問をしている様子を横で見ていて、これはまるで伝言ゲームのようだと感じました。相手から一方的に情報を聞いて、それをもとに自分の中でイメージを組み立てていき、そのイメージが顧客の持っているものとできるだけ同じになるようにする。

しかし、このように口頭でやり取りしているだけではどうしても抜け漏れが出てくるでしょうし、お互いの頭の中に出来上がったイメージが合っているかどうかを確かめるすべはありません。その結果、伝言ゲームがうまくいく場合もあれば、「あれ、そういうことだったの?」という顧客との認識違いや、「これ確認するの忘れてた」という漏れが生じてしまう場合も出てくるのです。

ついついやってしまう!上手くいかない伝言ゲーム

営業を伝言ゲームと捉えると、そこにはルールがありません。そのため、本来の伝言ゲームでは禁止されるような「紙に書いて伝える」「聞き返して確認する」「伝えようとしている情報の全体像を最初に示す」といったことをやってもまったく問題ないはずです。しかし、無意識のうちに「口だけで会話して紙に書かない」「一方的に話す/聞く」「全体像を共有せずに、細部について話す」といった、より情報が歪む/漏れるようなコミュニケーションをとっている営業現場をよく見ます。わざわざ自分で「上手くいかない伝言ゲーム」をやってしまっています。

より良い伝言ゲームのための営業ツール「商談の構成図」

このような伝言ゲームを上手くいくようにするために、営業ツールを工夫している事例をご紹介します。

法人向けの業務システムを扱うある企業では、「商談の構成図」というツールを使っています。これは、業務システムを提案する際に必要となる「顧客の組織情報」や「仕事の進め方」「社内システム」「業務課題」などの提案情報、さらに「商談のキーマン」「意思決定のステップ」「導入スケジュール」など顧客の購買の意思決定に関連する情報、つまり商談に必要な要素を商談の流れに沿ってレイアウトしているものです。これを使って「今なにの話をしているのか」を顧客と確認しながら、コミュニケーションを取っています。

これは「ヒアリングシート」などのあらかじめこちらが聞きたいことを列挙したものとは異なります。商談に必要な情報が、商談プロセスを軸に構造化されているために、それらの関連が見えてくることが特徴です。

そのために、会話があちこちに飛ぶこともなく、抜け漏れのない会話ができることはもちろん、相手の話が構造化されて、話しながら大切なことに気づきやすいとか、理解しやすくなるというメリットもあります。営業の伝言ゲームが「話したい内容を構造化してまとめた図」を活用することによって、大きく変わるのです。

構成図を広げて顧客と会話するようになって、その会社の営業コミュニケーションの質は大きく変化しました。以前はどうしても確認漏れや、スケジュールなどの認識違いがあったのですが、このツールを使うようになってからは大幅に減りました。しかも、ツールを間に置いて話をしているため、顧客からツールに沿って話をしてもらえるようになっているのです。

セルフルールを捨てて、営業コミュニケーションを変えよう

顧客との伝言ゲームを成功させるためには、紙やホワイトボードに書いて共有することは基本中の基本です。ただし、そこで顧客が話す内容をただ順番に理解するだけでなく、いろいろな情報の関連や過不足を理解しながら聞く、これは決して簡単なことではありません。

会社に戻って聞いた内容を整理してみたら、あるいは上司に報告をしたら肝心なところを聞けていかなったことが判明し、改めて訪問することになったなどということは皆さん経験されていることだと思います。

そんな伝言ゲームのミスは、ゲームなら笑いで済みますが、真剣勝負の営業活動においては命取りになりかねません。だからこそ、できるだけ失敗しないように、事例としてご紹介した「商談の構成図」のような準備をしておくのです。

営業という伝言ゲームにはルールありません。どんな工夫をしても、ルール違反はないのです。もし、あなたが「もう少し顧客とのコミュニケーションを上手くいくようにしたい」とお考えだとしたら、「メモはノートに書き取るもの」とか「ノートは最小限にして、相手の目を見て話を聞くことが大切」などというセルフルールにとらわれることをいったんやめて、自分なりの「話したい内容を構造化してまとめた図」を準備してみてはいかがでしょうか。きっと今までと違うコミュニケーションの広がりに驚かれることと思います。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
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