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資料作りの押し付け合いはもうやめよう!顧客向けの資料を作る上で本当に大事なこと

資料作りの押し付け合いはもうやめよう!顧客向けの資料を作る上で本当に大事なこと

営業現場を見ていると、資料づくりについての話をよく耳にします。
「営業は自分たちで資料を作らずに、本社にばっかり依頼してくる」
「本社はそのまま顧客に出しても売れない資料ばっかり作ってくる」

「受注につながる資料が必要だ」という点では意見は一致しているものの、具体的にどっちが資料を作るのか、その資料のクオリティがどうなのか、という点でどうも話がかみ合っていないようなのです。どうすればお互いにストレスなく、顧客向けの資料を作れるようになるのでしょうか。

今回のトライツニュースでは、アメリカでの調査結果を参考に、顧客向けの資料を作る上で何が大事なのかを考えてみたいと思います。

マーケ vs 営業:どっちが作る資料の方が受注につながる?

アメリカの営業&マーケティング業界に特化したコンサルティング企業の1社である、Docurated社が最近発表したレポート「STATE OF SALES ENABLEMENT 2016」で、顧客向け資料についての調査結果がありましたのでその一部をご紹介します。

20,271件もの受注事例を分析した結果、営業部門(61%)が作った資料の方がマーケティング部門(26%)やその他の部門(13%)が作った資料よりも受注につながっていたそうです。マーケティングがブレーンかつ司令塔としての役割を果たす傾向が日本よりも強いアメリカで、このような結果が出たのは衝撃的なことです。

このような結果が出た理由として、同レポートでは営業部門は顧客によって異なる様々なシチュエーションに対応する必要があるため、それぞれのシチュエーションごとに営業担当者がその都度自分たちで資料を作成しているからであると考察しています。マーケティング部門が作る総論的な資料だけでは、なかなか顧客の痒い所に手が届かないというのです。

また、そのようにして営業現場で作られる資料がマーケティング部門にフィードバックされることが少ないことも、理由の1つであると述べています。現場でうまくいったものがなかなかマーケティング部門には共有されず、どのような資料を作ったらよいかというノウハウを反映させられない。そのために、なかなか営業以外の部門が作る資料の受注が伸びないという傾向があるようです。

汎用的な資料だけでは受注につながらないという現実

実際に日本のB2B営業の現場を見ていても、同じような傾向があるように思われます。商材が同じ案件であっても顧客によってピンとくるポイントは異なるので、見せ方やキーワードの選び方など営業が個別に資料に手を入れざるを得ないことが多いようです。

その一方で、マーケティング部門や技術部門からもらった資料をそのまま使っている営業担当者も見受けられます。しかし、そのような場合でもよくよく話を聞いてみると、顧客によって説明の仕方や提案のポイントになるところを変えてみたり、資料にはないような導入事例や開発時の苦労話などを口頭で補足してみたりと、色々と工夫をされており、汎用的な資料だけでは受注につながらないのが現実です。

5.8人向けの資料を作ることで成果が大きく変わる

先に述べたように、営業担当者が工夫をしていても、目の前の顧客とは前向きに話が進むのになかなか受注に至らない、という商談を目にすることがあります。これはいったいどういうことなのでしょうか。

このことについて考える上で、非常に大事なのが「5.8」という数字です。これが何をあらわしているのか、お分かりになるでしょうか。

実はこの「5.8」とは、アメリカのCEB社が調べた法人営業での1案件当りの顧客の平均承認者数。つまり、営業担当者は目の前に座っている顧客担当者1人だけでなく、目に見えない残りの4.8人を足した計5.8人のことを説得しなければならないのです。

目の前におらず、顧客の担当者に間接的に説得してもらわなければならない4.8人のことを考えると、営業担当者が気持ちよく上手に話せる資料ではどうしても不十分です。そうではなく、顧客の担当者が社内でうまく話を通せるような資料であることが、顧客向けの資料作りにおいて大事な要素なのです。

一般的なマーケットのニーズではなく、その顧客が抱えている課題を書く。外部機関から受けた安全証明やセキュリティではなく、その顧客としてのセキュリティポリシーにいかに合致しているかを書く。競合他社との星取表ではなく、その顧客の関連部署にとっての評価基準で星取表を作る。一般的な導入スケジュールではなく、その顧客の年間カレンダーに合わせた導入スケジュールを描く。たとえば、このように資料を充実させることで、顧客担当者はより社内で話を通しやすくなることでしょう。

どっちが作るかの議論はナンセンス!連携して作る意識を持とう

だからと言って、営業部門が顧客向けの資料をすべて一から十まで作るというのは無理というものです。もちろん、マーケティング部門が一社ずつの状況を理解して資料を作るというわけにもいきません。そもそも、営業部門とマーケティング部門とで資料作りに求められるものが違うのです。

マーケティング部門はマーケットに関する基礎的なデータを持っていますし、汎用提案書やチラシなど社外に出す資料としてのクオリティを守る役割を持っています。また、どこまでなら情報を出しても良いかをジャッジするという役割もあります。

そして、営業部門はこれまで見てきたとおり、汎用提案書などの素材をうまく活用しながら、それを顧客の代弁者としての視点を持って、顧客の中で話が通りやすいようにアレンジしていく役割を持っています。

これらの役割はどちらも欠かせません。両方の機能が揃ってはじめて、顧客の社内にいる見えない4.8人に向けた資料を作れるようになるのです。そのため、冒頭の調査結果のように「営業とマーケティングのどっちが作るのか」という議論は実はナンセンスなのですが、まだまだ多くの営業現場ではどっちが作るのかという議論がされているようです。

そのような議論のぬかるみから抜け出して、連携して資料づくりをできるようになるためには、営業部門もマーケティング部門も、お互いに意識を変えることが必要だと思うのです。営業部門は、100%完成した資料がもらえると思うのではなく、自分たちが顧客視点でアレンジするものだと認識しておく。マーケティング部門は、自分たちの観点からすべてを完璧に整えようとするのではなく、営業が顧客と一緒にアレンジできるような資料を作って、営業と顧客にパスをする役割であると意識する。

そのような意識をお互いに持つことで、受注につながる資料を作れる組織になることができるのです。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
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