組織づくり

事例に学ぶ:営業から喜ばれる営業サポート部門になる第一歩

事例に学ぶ:営業から喜ばれる営業サポート部門になる第一歩

マーケティングに情報システムや営業企画など、企業には営業をサポートする部署が多くあります。それなのに、営業部門と営業サポート部門がお互いの仕事っぷりに対して100%満足している、という話をあまり耳にしないよように思われます。どうすれば、営業サポート部門は営業からもっと喜んでもらえるようになるのでしょうか。

今回のトライツニュースでは、ある企業の営業サポート部門でのプロジェクトを題材に、営業から喜んでもらえる営業サポート部門になる第一歩を踏み出した事例をご紹介します。

事例:データ作成のためのマニュアル作成

ある企業のB2B営業部門では、毎日変化する顧客の在庫状況や発注データをもとに営業活動を進めています。ここの営業にとって、データは不可欠な存在です。しかし、そのデータを作成するチームでは、スキルを持った特定のメンバーに仕事が偏ってしまっていました。そこで、データ作成のためのスキル・ノウハウを棚卸してみんなで共有できるようにしたい、ということで「データチーム・マニュアル」を作成するプロジェクトが立ち上がりました。

このプロジェクトでは、まずどんなスキルやノウハウをマニュアル化するかから議論が始まりました。最初は、「ACCESSやORACLEといったデータベース・ソフトの使い方」や、その部門の共有フォルダ内に大量に溢れている「データベースの中身」についてまとめることになるのだろうと予想していたものの、議論が進んでいくにつれて思いもよらなかったスキル・ノウハウが重要なことが明らかになったのです。

それは「データ作成の依頼主であり、読み手である営業について理解すること」でした。

営業への理解不足が仕事の質を下げていた

「そんな、当たり前のことを今さら」と思われるかも知れませんが、この企業での事態は深刻でした。データチームのメンバーにはシステムに明るいことが最優先で求められていたので、ほとんどが自社や他社のシステム部門出身。この部門での営業活動の経験者はほぼ皆無でした。そのため、取り扱っている商品のことをよく知らないまま、また営業がデータを実際にどのように使うのかも知らないまま、営業用のデータを作成していたのです。

そのような状況でしたので、システムのことをよく分かっていない営業担当者からデータ作成の依頼シートが届いたときには、依頼シートの通りではあるものの本来営業が意図していたものではないシートを納品してしまい、結果として1枚のシートを作るのに何往復もの差し戻し作業が発生していました。データチームではこのようなことが日々頻発。営業のことを理解していないために、仕事の効率が落ち、アウトプットの質も低下していたのです。

営業を理解するためのマニュアル作りへ

この状況を受けて、「今最優先で共有すべきスキル・ノウハウはシステムやデータベースではない」まずは「データ担当者がもっと営業のことを理解し、営業の意を汲んで対応できるようになろう」と、大きく舵を切ることになりました。

結果、データチーム・マニュアル全11章のうち2章を割いて、営業がどのような商品を扱っているのか、営業が対応しているのはどのような顧客なのか、営業は実際にどのような活動をしているのか、整理することになりました。また、個別データを説明する個所でも、ただデータの中身を解説するのではなく、そのデータを営業がなんの目的で使うのか、どのタイミングで使うのか、顧客とどんな会話をしながらデータを使うのかといった項目を営業マネージャーからヒアリングして掲載することにもなりました。

実際にデータチームとの打合せの中に営業マネージャーに入ってもらったところ、まさに異文化コミュニケーション。データ担当者は普段自分が作成しているデータがどのように使われていて、どんなところが使い勝手が悪いと思われているのかを知ることができ、「こんなことを知らずにデータを作っていた自分が怖くなった」と語るようになりました。一方、営業マネージャーも「データチームがどんなスケジュールでどれだけの分量の作業をしているのか、始めて知ることができた。依頼の仕方やタイミングをどう工夫すればよいかが分かったから、早く営業メンバーに伝えたい」と話していました。このプロジェクトが、営業とデータチーム、お互いを理解する場になったのです。

営業とサポート部門の間の「理解の壁」を乗り越えよう

マーケティングや情報システムなどの営業サポート部門には、B2BマーケティングやWebに代表されるITの進化のため、より高度な専門性が求められています。そのため、サポート部門と営業部門との間の距離が以前よりも広がり、お互いの間に「理解の壁」とでも言うべき障害ができているような気がしてなりません。

ただ、この事例でもご紹介した通り、せっかくのサポート部門の専門性も相手が意図していることを理解していないと効果半減。営業サポート部門の人は新しい業務システムの導入やマーケティング手法の学習ばかりに時間をつかうのではなく、
「うちのメンバーが、営業について理解できていないことは何だろう?」
「もっと営業サポートの質を上げるために、営業について知っておいた方がよいことは何だろう?」
と考えてみてはいかがでしょうか。

そして、営業について知りたいことができたら、昼休みなどの時間に営業メンバーを招いてミニ勉強会をやってみるのも面白いでしょう。現場でどんな活動をしており何に困っているのか、サポート部門のメンバーが知ることで日々の仕事への取り組み方を変えるキッカケになるのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
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