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トップからSalesforceを導入しろと言われた時にどうするか

トップからSalesforceを導入しろと言われた時にどうするか

最近、続けて「トップからSalesforceを導入しろと言われたのですが・・・」という会社からご相談をいただく機会がありました。salesforce.com社は米国カリフォルニア州に本社を置く、顧客関係管理(CRM)ソリューションを中心としたクラウドコンピューティング・サービスの提供企業です。全世界で年率30%以上の成長を続けており、既にユーザーである、あるいは導入を検討されているという企業も多いのではないかと思います。

今回のトライツニュースでは、このSalesforceに焦点を当て、「トップから導入しろと言われた時にどうするか」を皆さんと一緒に考えてみることにします。

自らの成功手法を売るSalesforce

Salesforce.com社が設立されたのは1999年。今から17年前のことです。当時、私(角川)はその前の年に日経文庫「営業革新システムの実際」を出版しており、日本でもSFAが注目され始めていた頃でした。

当時はSiebelが有名(後にオラクルに買収)で、SalesforceはSFAの中では後発。クラウドが一般的になってきてから爆発的に成長してきたという印象があります。

そんなSalesforceは営業を科学的にとらえ、研究し、自らその考え方にのっとって営業してきたことによって急成長を実現しています。自分達の営業のやり方をオープンにし、「これを参考に皆さんも成功してください!」というのが彼らのスタンスです。クライアントの成功事例ではなく、自らの成功事例を語り、そのベースになるシステムを販売するのですから、とても説得力のあるビジネスモデルだと言えるでしょう。

昨年末にも大掛かりな販促イベントがありましたが、ド派手で、凄い盛り上がりでした。

信じる者のみ救われる世界なのだが・・・

彼らのように成功するためには、その営業のやり方を取り入れる必要があります。誤解を恐れず、ハッキリと言ってしまえば、「Salesforce教の信者になる」ということです。きっと信じる者は救われるのです。

ただ、多くの企業ではそのようなことをしません。Salesforceというシステムだけを導入しようとします。

特に多いのは「トップからの“Salesforceを導入せよ”という指示がありまして・・・」というものです。そのトップが「Salesforce教の信者」であり、「Salesforceのような営業を自社でもやりたい!そのためなら何でもやる!!」という覚悟があれば何ら問題はないのですが、そこまで高い意思を持っていることは稀です。

ほとんどは「Salesforce」というものを十分に理解することなく、流行に飛びつくような感覚で、気軽に手を出そうとしてしまうようです。

上手くいかないのはシステムが悪いのではない

そして、それを指示された社内スタッフ側は、現場との板挟みになり、「とりあえず・・・」と商談管理だけなど機能を限定して段階導入するのですが、現場にしてみれば面倒な入力作業が増えるだけとか、管理が厳しくなるだけなどということでやがて使われなくなってしまうという末路をたどってしまうのです。

最後には「Salesforceは使えない」という評価が残るだけで、誰もハッピーになりません。

また、せっかく導入したのだから・・・と後から莫大なカスタマイズ費用を投入して、Salesforceを自社に合わせようとする企業もありますが、それではSalesforceの持つ本当の価値を活かせず、従来からの仕事のやり方に合わせた高価な管理システムを導入しただけです。

実はこのようなことはSalesforceに限ったことではなく、SAPなどのパッケージでも繰り返されてきたことです。従来からやってきた自社の仕事のやり方にこだわり、システムをそれに合わせようとして、そのシステムが持つ思想、仕事のやり方を取り入れることができない。

これらはそのシステムが悪いのではありません。悪いのはシステムを導入する「姿勢」なのです。

ウチで使えるか?ではなく、ウチがこれやりたいか?で判断しよう

システムのデモを見た時、よくあることとして「このシステムはウチで使えるか?」ということで話し合いをされるのではないかと思います。
やりたいことが明確になっており、それに対するアプリケーションを探している場合は問題がないのですが、Salesforce のようにシステム側にハッキリとした思想のあるものに対してそのアプローチは間違っています。

「このシステムで提唱している営業を自社がやれるか?やりたいか?」
「やろうとした場合、いろいろ出てくる社内の古い障壁に立ち向かう覚悟があるか?」

この投げかけに対して答えを出すためには、Salesforceというシステムでなく、彼らの営業手法をよく理解し、「それをやりたいか」で判断すべきだと思います。

そのためには、トップから「Salesforceを導入しろ!」と言われた際には、いきなり「自社でどう使えるか」と現場で議論するのではなく、トップを巻き込んでSalesforceの提唱する「営業文化」を学ぶことから始めることが必要なのではないでしょうか。

投稿者プロフィール

角川 淳(つのかわあつし)
既存の営業の良い部分を活かし、現場に合わせて新しい考え方や道具を取り入れる「営業リフォーム」がコンサルティングコンセプト。事業の継続的な発展を支援します。
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