マネジメント

ダラダラ会議にオサラバ!商談管理のビジュアル化が営業会議を変える

ダラダラ会議にオサラバ!商談管理のビジュアル化が営業会議を変える

営業部門にとって営業会議は切っても切れないもの。ただ、「ウチでは良い営業会議ができている」という話を耳にすることはあまりありません。逆に「ダラダラと時間ばかりかかっている」「時間のムダ」といった声を聞くことが多いように思われます。そして、どうやらこの営業会議の問題の根底には、商談マネジメントのあり方が大きく影響しているようなのです。

今回のトライツニュースは、営業会議のあり方を変えるための商談マネジメントの工夫について考えてみます。

商談リストによる報告に疑問を感じていませんか?

B2B営業にとって、商談の進捗を確認し今後の営業活動の進め方を検討する営業会議は欠かせないものです。

その営業会議にお邪魔すると、営業担当者が一室に集められて商談リストの上から順番に商談の進捗や受注見込みを報告しているだけ、という光景をよく目にします。営業担当者は自分の報告が終わるとノートパソコンを開いてメールの返信をするなど、自分の仕事を内職しています。報告している本人とマネージャーしか発言しないまま、時間だけが過ぎていきます。

このように商談リストを上から1つずつ確認していくだけのメリハリのないダラダラとした営業会議が、B2B営業ではよく見られます。なぜこのようになってしまうのでしょうか?

商談とは生き物である

実はこのタイプの営業会議を生み出している原因の1つが、商談をリスト化してマネジメントしていることなのです。

ここで考えなくてはいけないのは、リスト化されてしまっている商談はそれぞれに事情も異なりますし、常に変わり続け、時には顧客の都合によってこちらが思ってもいなかった方向に進んでしまう、まるで「生き物」のようなものだということです。

その「生き物」のようである商談をリスト化するということは、あたかも動物園にいるたくさんの動物を「大きさ」「翼の有無」「表皮の形状」「昼行性/夜行性」といった項目で表に集計するようなもの。表を見ているだけでは実際の生き物がどのようなものかさっぱりイメージがわかないのと同じように、商談リストを使って商談を理解しようとすればするほど、確認したい項目が増えていき、細かいところばかりに目が行くようになってしまいます。

こうして、マネージャーが商談を細かく理解することに時間を取られてしまい、会議全体の時間が延びてしまいます。また、商談の細部に意識が集中してしまうため、商談の全体像がどうなっているかやどういった方向に進んでいるのかがわかりくくなってしまう、ということも大きな問題です。

そして、営業担当者が抱えている複数の商談に優先順位を付けリソース(営業工数)の最適配分を考えることも営業マネージャーの重要な仕事ですが、リストを使って商談のマネジメントをしていると、商談の全体の動きがなかなか見えてこないため、どの商談を優先順位高く扱ったらよいかを判断しにくくなってしまいます。

その結果、どの商談に対しても同じくらいの時間を使ってしまい、メリハリのないダラダラとした営業会議になってしまっているのです。

商談のビジュアル化とは何か

このような営業会議の姿に問題意識を持たれたあるB2B企業では、商談のリスト化をやめて、それぞれの営業担当者が抱えている商談の全体像が一目で分かるように商談のビジュアル化を実現するようになりました。

エクセルのグラフ機能を使い、横軸に顧客の購買プロセスの進捗、縦軸に受注可能性をとって、それぞれの商談が現在どこに位置しているのかをあらわす商談マトリクスを作成しています。商談の規模(売上高や利益額)は、マトリクスにプロットされている円の大きさで示しています。

このマトリクスを導入したことで、その営業担当者が抱えている商談の状況、個々の商談の動きが一目瞭然でわかるようになりました。そして、力をいれるべき商談(円が大きい=規模が大きいのに、顧客の購買プロセスに比較して受注可能性が低い商談)と、省力対応する商談(円が小さい=規模が小さい商談)がはっきりとわかるようになったのです。

これによって、動物園の動物のように生き物である商談をリスト化してわかりにくくするのでなく、いろいろな動物が絵で表された動物図鑑のように一目でイメージがつかめるようになりました。

商談をビジュアル化すると何が起こるか

このように商談をビジュアル化したことで、この企業の営業会議に変化が起こりました。

営業マネージャーは以前よりも短時間で商談の状況を理解できるようになったので、営業マネージャーと営業担当者の間のやり取りが、「現状どうなっているか」の細かい確認から、商談の全体像を把握したうえでの「これからどうするか」のアイデア出しへと変わりました。

また、商談の優先順位が明確になったことで、大事な商談には必要なだけ時間をかけて徹底的に議論し、それ以外の商談については原則として問題がないかどうかを簡単に確認するだけにとどめる、というようにメリハリのついた進行ができるようになりました。

その結果、細かいところにばかり突っ込むメリハリのないダラダラとした営業会議が、優先順位の高い商談に集中して今後の営業活動について建設的に議論する会議へと様変わりしたのです。

細かいところまで精確に理解しようとせず、全体像を共有するための工夫をしよう

この企業で営業会議のあり方を変えるきっかけになったのは、その詳細を精緻に理解することから、全体像や今の動きを俯瞰し、次を考えることへとマネジメントの視点を転換したことです。そして、商談マトリクスというツールを使ったことで商談をビジュアルで理解することができるようになりました。

とはいえ、商談マトリクスは商談のビジュアル化の1つの手段にすぎません。
「自社の商談の全体像や動きをビジュアル化するために、どんな工夫ができるだろうか?」
営業会議のあり方にお悩みの営業マネージャーの方は、この視点から自社の商談マネジメントについて考えてみてはいかがでしょうか。ちょっとしたグラフ化をするだけでも大きな違いがあるものです。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
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