コミュニケーション

営業コミュニケーションを工夫して
新規開拓モチベーションを高める!

営業コミュニケーションを工夫して新規開拓モチベーションを高める!

多くの営業マンにとって新規開拓は気が重いもの。新しい顧客との間にはお互いに距離感があるので会っている間も緊張してしまいますし、次のアポを取るにも「しっかりとした理屈が必要だ」と身構えてしまいます。そのため、営業マンはついつい顔なじみで気心も知れた既存顧客のところにばかり通いがちです。

今回のトライツニュースでは、営業マンの新規開拓モチベーションを高める「営業コミュニケーションの工夫」を、新規顧客訪問のワンシーンを見ながらご紹介します。

理想的な新規顧客訪問のワンシーン

その場面は、メーカーX社の本社会議室。X社のマーケティング部の課長とキャンペーンやイベントを企画・運営しているA社の営業マンが、二人並んで会議室の長机の前に立って何やら話をしています。
課長「2020年の東京オリンピックの頃にこのゴールを実現するためには、直前のラグビーW杯でこれを実現していたいな」
営業「そのためには、こんな販促イベントなどいかがでしょうか?」
課長「そうだ!ちょうど新製品がこの頃に発売されるだろうから、上手く絡められないかな」
営業「では、私の方でアイデアを出してみますね」
二人はX社のマーケティング戦略やイベントを机の上一面に広げたフリップチャートに書き込んでいます。2020年に実現したいゴールを描き、ゴールに至るまでのステップや主要なイベントが書き込まれており、そのステップやイベントの周りにはX社の課題や大事にしたいポイントがびっしり。
こうして見ていると二人はまるで長年一緒に仕事をしてきた上司と腹心の部下。しかし、実はA社の営業マンにとってX社は未契約の新規開拓先なのです。それなのに3回目の訪問にも関わらずすっかり打ち解けた様子。

さて、どうしてこのようなことができるのでしょうか?

既存の優良顧客に学んだ「オーダーを取りに行かない」コミュニケーション

A社の営業部隊は、1年前まで新規開拓で苦労していました。
新規の顧客に足しげく通っても、普段使っているキャンペーン・イベント会社がお手上げの「難しい案件」をお手並み拝見とばかりに回してもらうだけ。努力して何度も企画を出し直しても、結局はイベント案自体にGOサインが出されずに受注が取れない、ということが続いていました。案件が流れたことでなんとなくお互いに気まずさを感じてしまい、次が続かないで終わってしまう「焼畑営業」になってしまっていたのです。

一方で、以前から付き合いがある顧客からは色々相談される良い関係ができています。
A社の営業部長は考えました。この違いは何か?どうすれば新規の顧客とも相談される関係が作れるのか?
そこで出した結論は「オーダーを取りに行かない」ということでした。
それまでの新規開拓では、どんな案件でも良いからとにかくオーダーを聞き出してさっさと実績を作ろうとばかりしていました。それをスッパリ止め、オーダーが具体化される前に顧客のやりたいことを聞き出すことに集中しよう、と営業スタンスを大きく転換することにしたのです。

営業コミュニケーションの工夫「一緒に作るロードマップ」

具体的には、顧客が目指すマーケティングや販売促進のゴールを実現するまでのロードマップを顧客と一緒に整理する、というセッションを営業活動の一環として実施するようにしました。お抱えの広告代理店などがいない中堅企業では、このようなものを誰も作ってくれませんし、メンテナンスもしてくれません。費用がかからないこともあり「ものは試し」とセッションに取り組んでくれる顧客が増えていき、このセッションは今やA社の営業部隊の得意技になりつつあります。そして、結果として顧客から「ここ提案してくれない?」と新たなオーダーをもらうことにつながっています。

先ほどの会議室に目を戻すと、X社の課長が自ら赤ペンを持って何か記号を書き込みながら営業に話しかけています。
「これはうちでやれそうだな」
「これは今までにやったことないから手伝ってほしいんだけど、こういうのやれる?」
ロードマップの中にある「今後のイベント・キャンペーン」というエリアに書き出されている項目を見ながら、X社が自分たちでできそうなものには丸印を、社外の協力が欲しいものには三角印を書き込んでいます。営業マンは現在相談されている案件以外にも案件の「タネ」を見つけられましたし、何より顧客の販売促進のロードマップという大事な情報を手に入れることができました。
課長は机の上一面に広がっているロードマップを眺めながら営業マンに語りかけます。
「こうやって整理してくれると、頭の整理にもなるから助かるよ」
「部内で共有したいから、清書して送ってもらえたら嬉しいのだけど」
どうやらA社の営業マンはこのセッションによって、新規顧客のキーマンから期待される関係になることができたようです。

「一緒に作る」体験が顧客との距離を縮め、新規開拓のモチベーションを高める

ご紹介した営業部隊は、新規顧客に対して「顧客と一緒に何かを作る」体験を商談の中に組み込むという工夫を見つけました。これによってお互いの間合いを詰められ、顧客と営業マンとの間で「1つのものを一緒に作った」という一体感を感じられるようになり、さらに顧客の計画とそこにおける課題という自社の商品・サービスを提案する上での土台を共有できるようになりました。このため、次の訪問のアポイントメントを取りやすくもなりました。

営業が新規顧客をなかなか訪問しようとしない背景には、「売り込む営業」対「判断する顧客」という距離感への苦手意識が少なからずあります。その距離を縮める方法の1つが「顧客と一緒に何かを作る」というもの。一緒に作る体験を共有することで、顧客の懐にスルリと入りやすくなるのです。

皆様の営業部隊に新規顧客の訪問にモチベーションが湧かない営業がいらっしゃるのでしたら、一度「自社の営業活動の中で、顧客と一緒に何か作れるものはないだろうか」と考えてみてはいかがでしょうか。そこで良い工夫を見つけられれば、新規開拓が活性化する糸口になることでしょう。

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