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「当社は製造業なので、モノづくりに関してはいろいろ新しい取り組みをやりますし、もちろんそのための実験もやっています。でも、営業に関しては保守的で実験してないですね。」先日のIPROS様主催の製造業向け営業セミナー「これからの時代に生き残る製造業の営業戦略~新しいしくみを自社の武器にするために経営者がやるべきこと~」でお話をした後で、参加された方からいただいたコメントの一つです。

このセミナー、大阪と東京で開催したのですが、どちらも沢山のお申込みをいただき、かなり前から定員オーバーで受付終了になってしまっていました。皆様にとって関心の高いテーマだったようです。そのセミナーの場で営業における「実験」の重要性についてお話したところ、前述のような感想をいただくことができました。

新しいことをやりにくい環境になっている

失われた20年などと言われる中、B2Bの営業現場でもとにかくコストパフォーマンスが追求されてきたように思います。その結果、支援スタッフは削減され、営業担当者がやらなければいけない事務作業は増加し、様々な経費は使えなくなりました。常に人、モノ、金、情報などというリソースが十分でない中で何とかしないといけないという状況が続いています。

結果、リスク回避を優先させる考え方が中心となり、考え方、仕事のやり方のマンネリ化に陥っています。また、何か新しいことをやろうとすると、「上手くいく根拠を示せ」とか「費用対効果を明確にせよ」などという突っ込みが入ってしまうようになっています。

顧客の買い方はインターネットの普及により大きく変化

一方で顧客には営業担当者を呼んで相談する前に自らWebを検索し、欲しい情報を入手して、こちらの知らないところである程度の意思決定をしてしまっているという「買い方の変化」が起こっています。それに合わせた「売り方」に変えていかねばならないのですが、前述のような状況から保守的にならざるを得ず、なかなかメスを入れることができないのが現状だったりします。

知恵と工夫でどんどん実験してみよう

しかし、ちょっと視野を広くしてまわりを見てみると、クラウドサービスの普及で便利なシステムやサービスが驚くほど安価で使えますし、会社のホームページにほとんど手を入れることなく情報発信するサイトをリンクさせて立ち上げたり、メールマガジンもほとんどお金を掛けずにやってみることもできます。Powerpointを使えばDIYで簡単にユニークな営業ツールを作ることも可能です。社内SNSもその気になれば明日からでも始められます。営業担当者はハイビジョン撮影できる高性能なカメラの付いたスマホを常に持ち歩いていますし、パソコンを使えば動画編集も簡単です。Excelだけでもいろんなデータ分析もできたりします。

このように以前よりもいろんなことを「試しにやってみる」ということがやり易くなっています。それを活かさず、マンネリ化した仕事のやり方の中で閉塞感を感じているなんてとてももったいないことなのです。今、必要なことはこの環境の中で、知恵と工夫を活かして「実験」し、わかったことを全体に活かすという「実験志向」のスタンスです。

ちなみに「実験」という言葉はとても便利なもので、問題解決のために前向きに試し、結果はやってみないとわからないというイメージを持たれます。今の環境を活かせば「費用対効果は?」なんて言ってくる外野の声に対しても「実験ですから!費用ほとんどかかってないですし!」と言ってしまえるというメリットがあります。

実験志向のB2B営業戦略は今の時代に競争力を発揮する

私はいろいろと仮説を立て、実験し、良かったことをどんどん組織として取り入れていく。これを「実験志向のB2B営業戦略」と呼ぶことにしたいと思います。

一見すると当たり前のように思うかもしれませんが、モノを開発するためにはあれだけ実験を重ねるメーカーであっても、営業現場は保守的で、マンネリ化していることがほとんど。営業現場で実践できている企業は決して多くありません。だからこそ、フットワーク軽く実験を行い、得られた知見を組織力強化に活かすという戦略は十分に競争力を発揮すると考えています。

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