
プロジェクトマネジメントは予算内で成果物を顧客に提供し、お金を実際に生み出すビジネスの要となるプロセスです。どんなに腕の良い営業マンがいても、約束したものを予算および期限内に納品することができなければビジネスは成立しません。そこで今回は、海外の記事からプロジェクトマネジメントのコツについてご紹介し、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
1.始める前にプロジェクトの「実現可能性」を判断する
まずは営業担当者が打診してきたプロジェクトの内容を検討し、そのプロジェクトを期限内に成功させるのに必要なリソース(人材や予算、技術)の有無を確認し、プロジェクトの条件が実行可能かどうかを判断します。人材を外注する場合は、この段階で外注先にプロジェクトを打診し、予算や納期の確認をします。
営業マンは自分の業績を気にするあまり、顧客の希望に対して「No」と言いたがらない傾向がありますが、実現不可能な条件を受け入れて最終的に実行できなかったり、品質が劣る成果物を提供したりして、最終的に困るのは顧客です。最初の段階でプロジェクトマネージャーが現実的にプロジェクトの内容を判断し、必要に応じて顧客と調整することが大切です。
2.海外の外部リソースや無料ツールでコストダウン
欧米では、物価の安い途上国のリソースを積極的に活用する企業が増えています。特に、グローバルな市場を対象に英語でオンラインビジネスを展開している個人事業や小企業の場合、予算が比較的限られているため、インドやフィリピンなど英語を公用語とする国の安いサービスをSEO対策やカスタマーサービス、事務作業などに活用しているようです。
スカイプや無料のウェブ会議ツールを使えば、海外リソースとのコミュニケーションも、ほとんどお金をかけずにできるので、海外リソースで対応可能な作業については、地元のスタッフを雇うよりもコストを安く抑えることが出来ます。
日本ではスカイプの使用を認めていない企業がまだ多いようです。しかし、海外でビジネスを展開している企業の場合は、コスト削減対策の一環として、安い海外の外部リソースや、無料ツールを積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
3.リアルタイムに進行状況を管理し、タイムリーに対応
プロジェクト開始後、プロジェクトマネージャーはプロジェクトの進行状況を定期的にチェックし、リスクを特定してそれを回避するアクションを実行し、また実際に問題が発生した場合に迅速に対応できるよう、対策を立てておく必要があります。
例えば、プロジェクトマネージャーは複数の案件を抱えている場合が多いので、プロジェクト管理ソフトを活用して、プロジェクトの進行状況の確認やリスクの特定を行うことをお勧めします。
例えば、作業に使用するソフトとプロジェクト管理ソフトが連携されている場合、リアルタイムで自動的にプロジェクトの進行状況を把握でき、遅れが生じている場合はプロジェクトマネージャーに自動的に警告が送信されます。そうでない場合は、プロジェクトに携わっているスタッフが定期的に進行状況を手動で入力することになります。
そしてリスクや問題が特定された場合は、それらを解決するためのタスクをシステム上で担当者に割り当てます。プロジェクト管理ソフトでプロジェクトの各タスクの責任者を明確にすることによって、プロジェクトを効率よく管理し、スタッフの責任感を助長するだけでなく、問題が生じた際に、原因の特定がしやすくなります。
プロジェクト管理ソフトを購入する予算が無い場合は、スタッフ全員がアクセスできるシステムにエクセルシートなどをアップロードして、状況を報告し合うようにすると良いでしょう。海外の個人事業や小企業の場合は、無料のGoogleドライブを使ってプロジェクト関係者と情報を共有し合うところも多いようです。
4.チェックリストで品質管理。プロジェクト終了後に必ず更新
各工程について、品質に影響する重要なポイントを明記したチェックリストを作成し、担当者にリストの各項目について確認させるとリスクを低減できます。プロジェクト終了後、今後に備えて問題点や改善点を確認し、リストを更新することが大切です。
まとめ
プロジェクトマネジメントでは最初の段階で実現可能な条件を顧客と調整することが大切です。そして実際にプロジェクトが動き始めたら、プロジェクト管理ソフトを活用して効率的にプロジェクトの進行状況を管理することをお勧めします。ただし、ソフトは問題を警告してくれても解決はしてくれません。そのため、問題を解決するための柔軟性、素早い判断力、行動力、解決に向けて関係者を調整するコミュニケーション・交渉能力がプロジェクトマネージャーに求められます。
参考:
5 Key Project Management Processes
Photo:
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