コミュニケーション

つなぐということ

つなぐということ

営業とは自社と顧客をつなぐシステムである。

前回のコラムを書いてから、中小企業を経営している友人よりメッセージを頂戴しました。「客と会社の“つなぎ”という観点は素晴らしいですね。特に売りっ放しでない付き合いが始まる営業には大事なことだと思います。大企業ほど定期的に担当替えをしますよね。特に金融機関。あれは本当に困るんですよね。友人関係と同じで長い年月で積み上げた互いの信頼関係が転勤によって無くなってしまい、新しい担当が出来ない奴だと銀行自体を替えないとならない・・・」

このように相手の都合で“つなぎ”を切断された挙句、取引金融機関そのものを変える羽目になった経験を教えてくれました。これは営業を自社と顧客をつなぐシステムと考えると、あってはならない状況を作り出してしまっています。

しかしながら、もしかすると友人の担当から外れた営業が新しい顧客と大きなビジネスを創出することになるかもしれません。また、組織全体で「いかに稼ぐか」という視点で考えると評価の難しいところでもあります。彼には申し訳ないのですが・・・・。

実は・・・この「評価の難しいところ」というのに大事なポイントがあると思うのです。

営業をシステムとして考える際、それが最終的に目指すのは何でしょうか。

これまで一般的に営業とは自社の商品・サービスを売ることで、自社の収益を最大化することだけ考えがちでした。しかし、それではどうしても自社都合の思考になって、目先の売れるところだけに偏りがちです。

そこで、これに加えて「自分達の付き合う顧客の稼ぎを最大化する」という視点を持つことが大切であると考えています。そうすることで、自然に将来的に共に発展していける相手を選びますし、中長期的に何をすべきかを顧客視点で考えることにもつながります。ちなみにここでポイントになるのは、顧客1件のことではなく、自社が取引する全ての顧客の稼ぎの合計を最大化させることを考えるということです。従って、1件の顧客の収益が下がっても、別の顧客での収益がそれ以上に上がっていればOKということになります。

「営業は自社と顧客をつなぎ、双方の収益を最大化させるシステムである」と考えると、営業の役割やこれからの目指すべき姿、支援のために必要な仕掛けなどがこれまでより整理しやすくなるのではないかと考えています。

例えば、すでにITを活用してもっと顧客とのつながりを上手くマネジメントしていこうと考えられ、多くの企業で導入されているのがCRM(Customer Relationship Management)です。ただ、実際に行われていることは、ITによって顧客情報とその顧客に対する営業情報を一元管理して、顧客関係が見える化できるし、いろいろ現場で活用できますよ・・・としているだけのものがほとんどで、特に法人営業の世界ではあまりマーケティングにも活かされていないというのが現実だったりします。

しかし、これも「自社と顧客の稼ぎを最大化する」という視点から現実を見た上で、限られたリソースをどう配分し、アウトプットを最大化できるかをシミュレーションするという目的で活用すれば、もっと面白いツールになるのではないかと思います。

ただ、いくら組織としてこのような判断をしたとしても、お付き合いのあったお客様をバッサリやっていいということでないことは当然のことです。メッセージを送ってくれた私の友人にも、単に「担当替わりますから」でなく、組織としてのフォローがあれば・・・そのためのしくみがあれば・・・・結論は変わっていたのではないかと思います。効率だけを追求するのではなく、人の気持ちを大事にしたヒューマンシステムとして考えていくことも大切ですね。

その辺りもこれからこのコラムでも考えていきたいと考えています。
また、皆様からのメッセージも大歓迎です。よろしくお願いします。

投稿者プロフィール

寺島 孝輔
実際に現場で成果が出るまでお手伝いします。現場の力を引き出し、現場に新しいアイデアを加えることで、顧客から選ばれるビジネスへの変革を実現します。
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